「捨象」という言葉には、「物事を抽象するとき、他の要素・側面・性質を度外視すること」という意味があります。
日常生活ではあまり馴染みのない言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「捨象」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「捨象」の意味は『物事を抽象するとき、他の要素・側面・性質を度外視すること』
捨象の読み方は「しゃしょう」です。
語源は二つの漢字の組み合わせから来ており、
- 「捨」はすてる
- 「象」はかたち・すがた
の2つが合わさってできた言葉です。
『捨象』には
- 事物または表象からある要素・側面・性質を抽象するとき、他の要素・側面・性質を度外視すること
などの意味があります。
「捨象」の正しい使い方を例文で紹介!
「捨象」は、事物または表象からある要素・側面・性質を抽象するとき、他の要素・側面・性質を度外視することを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
細部を捨象した絵を描いた。
例文②
この会議に必要ないと思われる点が捨象されて、本質が分かりやすくなった。
例文③
一つの実験結果だけを抽象し、他を捨象することで、法則を見つけました。
例文④
そこにいる三匹は、目に見える様々な情報を捨象すると「犬」ということになる。
【捨象を使う時の注意点】
「しゃぞう」と読みたくなりますが、正しい読み方は「しゃしょう」ですので気をつけましょう。
「捨象」の類義語・言い換え3選
『捨象』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 抽象
- 概括
- 普遍化
類義語①抽象の意味
事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること。
引用:goo辞書
抽象化して考えることにより、仕事の効率をあげる。
類義語②概括の意味
論理学で、さまざまな事物に共通する性質を抽象し、その性質を一つの概念にまとめること。一般化。
引用:goo辞書
本案件の概括は、こちらの資料にまとめました。
類義語③普遍化の意味
特殊なものから普遍的な法則や概念を作り出すこと。
引用:goo辞書
この商品は、ライバル社によって普遍化された。
「捨象」と「抽象」の違いは?
「捨象」と「抽象」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「捨象」には物事を抽象するとき、他の要素・側面・性質を度外視することという意味がありますが、
それに対し「抽象」には、事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握することという意味があります。
ある事物から要素・側面・性質をぬきだして把握する「抽象」を行い、その要素・側面・性質を度外視する「捨象」を行うというイメージです。
「抽象してから捨象する」というセットで覚えておくと良いでしょう。
「捨象」は英語で『abstraction』
捨象は英語の『abstraction』に言い換えることができます。
英語の『abstraction』には
- 抽象
- 抜き取り
などという意味があります。
「捨象」の対義語・反対語は『具体化』
捨象の対義語は、『具体化』になります。
具体化には
- 抽象的な事柄を実際に形にして表すこと
などの意味があり、物事をはっきりとした形や内容にしていくことを表す際に用いられます。
実際にどんな商品を開発をしていくか、具体化していこう。
物事のいらない情報を削ぎ落としていく「捨象」に対して、はっきりとしたイメージや内容などを付け足していく「具体化」は反対の意味の言葉として使うことができます。