「辛気臭い」という言葉には、「思うようにならず、いらいらするさま」という意味があります。
人や物事に対するいらつきや不快感を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「辛気臭い」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
辛気臭いの意味は『思うようにならず、いらいらするさま』
辛気臭いの読み方は「しんきくさ(い)」です。
語源は「辛気(しんき)」という言葉と「臭い(くさい)」を組み合わせた言葉です。
「辛気」には「面倒であること・はっきりしなくていらいらすること・気が重くなること」という意味があります。
そこに「 …のようなようすであるの意を表す」という意味での「臭い」が組み合わさり、「辛気臭い」は「いらいらするさま・気がめいるさま」という意味になります。
元は関西地方の方言だったものが共通語化した言葉で、関西地方では「いらいらするさま」という意味で使われていましたが、共通語化する中で「気がめいる」という意味でも使われるようになりました。
『辛気臭い』には
- 思うようにならず、いらいらするさま
- 気がめいるさま
などの意味があります。
「辛気臭い」の正しい使い方を例文で紹介!
「辛気臭い」は、人や物事に対するいらつきや不快感を表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
せっかちな性格なので、絡まったネックレスをほどくような辛気臭い作業は苦手です。
例文②
細かい数字を並べて比べるような仕事は、辛気臭くて自分には向いていないように思う。
例文③
部長の話は愚痴や不満ばかりで、辛気臭い気持ちになってしまいます。
例文④
彼はいつも無表情で口数も少ないので、辛気臭い人だという印象です。
【辛気臭いを使う時の注意点】
日常会話で「辛気臭い」を使うときは、「暗い・気がめいる」などの意味で使われることが多いですが、「いらいらする」といった不快感を表す言葉でもあるので、使う場面には注意が必要です。
「辛気臭い」の類義語・言い換え3選
『辛気臭い』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 煩わしい(わずらわしい)
- 鬱陶しい(うっとうしい)
- 陰鬱(いんうつ)
類義語①煩わしい(わずらわしい)の意味
- 心を悩ましてうるさい。面倒で、できれば避けたい気持ちである。
- こみ入っていて複雑である。
- 気がおかれる。気をつかわせられる。
- からだのぐあいが悪い。病気である。
引用:goo辞書
引っ越しをすると、煩わしい手続きがたくさんあって気がめいります。
類義語②鬱陶しい(うっとうしい)の意味
- 心がふさいで晴れ晴れしない。気分が重苦しい。
- 邪魔になってうるさい。煩わしい。
引用:goo辞書
彼とは一度食事をしただけなのに、しつこく付きまとわれて鬱陶しい。
類義語③陰鬱(いんうつ)の意味
陰気でうっとうしい感じがするさま。また、心が晴れ晴れしないさま。
引用:goo辞書
仕事で失敗が続いて、陰鬱な気分になっていました。
「辛気臭い」と「陰気臭い」の違いは?
「辛気臭い」と「陰気臭い」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「辛気臭い」には思うようにならずいらいらするさま、気がめいるさまという意味がありますが、
それに対し「陰気臭い」には、陰気な感じがするという意味があります。
「辛気臭い」は、細かい作業や面倒な仕事、暗い話などに対するいらつきや不快感を表しているのに対し、「陰気臭い」は人物や場所が暗くてじめじめとしていることを表しています。
「辛気臭い」は英語で『irritating』
辛気臭いは英語の『irritating』に言い換えることができます。
英語の『irritating』には
- 腹立たしい
- いらいらする
という意味があります。
「辛気臭い」の対義語・反対語はありません
辛気臭いの対義語はありません。