「指南」という言葉には、「教え示したり指導すること」という意味があります。
何かを教える場面などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「指南」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「指南」の意味は『教え示したり指導すること』
指南の読み方は「しなん」です。
明確な語源や由来はありませんが、「指」と「南」のそれぞれの意味は、
- 「指」は、さししめす
- 「南」は、方角の南
この2つが合わさってできた言葉です。
中国で用いられていた磁石の針は常に南を指すことから、指南は方向を示すという意味合いで使われていました。
このことから「教え導く」の意味に転じたと言われています。
『指南』には
- 武術・芸能などを教え示すこと
- 指導すること
などの意味があります。
「指南」の正しい使い方を例文で紹介!
「指南」は、教え示したり指導することを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

先輩に指南していただいたおかげで、うまくいきました。
例文②

後輩たちに指南することは、自らの知識をさらに深めることになる。
例文③

パソコンの設定が分からなくて、友達に指南してもらった。
例文④

顧問から貴重な指南をいただいた。
例文⑤

外部コンサルタントから、具体的にご指南いただきありがたかった。
【指南を使う時の注意点】
「指南」は、相手に対して知識や方法を教えるという意味で使うため、自分が上から目線にならないよう注意が必要です。
ビジネスシーンでは、主に「ご指南いただく」といった謙譲的な形で使うのが適切ですので覚えておきましょう。
「指南」の類義語・言い換え5選
『指南』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 指導
- 教示
- 助言
- レクチャー
- 教える
類義語①指導の意味
ある目的・方向に向かって教え導くこと。
引用:Weblio辞書

彼の指導力はピカイチだ。
類義語②教示の意味
「教え示す」「教える&示す」ことであり、情報や知識を伝達することである。
引用:Weblio辞書

実験手順について、先輩から教示を受けた。
類義語③助言の意味
助けになるような意見や言葉を、そばから言ってやること。また、その言葉。助語。じょごん。
引用:Weblio辞書

専門家から助言を受けた。
類義語④レクチャーの意味
講義・講演・講演するのことを意味する英語表現である。
引用:Weblio辞書

今日来る新人さんにレクチャーしてあげてください。
類義語⑤教えるの意味
知識・学問・技能などを相手に身につけさせるよう導く。教育する。教授する。
引用:Weblio辞書

息子に分数の掛け算を教える。

「指南」と「指導」の違いは?
「指南」と「指導」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「指南」には教え示したり指導することという意味がありますが、
それに対し「指導」には、ある目的・方向に向かって教え導くことという意味があります。
「指南」は、知識や技術を示す専門的な助言であるのに対して、「指導」は、具体的に教える行為を広く表します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが若干異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「指南」は英語で『teaching』
指南は英語の『teaching』に言い換えることができます。
英語の『teaching』には
- 教えること
- 教授
- 教え
という意味があります。
「指南」の対義語・反対語は『放任』
指南の対義語は、『放任』になります。
放任には
- 干渉しないで、したいようにさせること
などの意味があり、干渉しないで、したいようにさせることを表す際に用いられます。

部長はメンバーを信頼して放任する主義です。
教え示したり指導することという意味の「指南」に対して、干渉しないで、したいようにさせることという意味の「放任」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
