「尻切れトンボ」という言葉には、「物事が中途で切れて、完結しないことのたとえ」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「尻切れトンボ」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「尻切れトンボ」の意味は『物事が中途で切れて、完結しないことのたとえ』

尻切れトンボの読み方は「しりきれとんぼ」です。
語源は、鼻緒がトンボの羽に似ている「トンボ草履」に由来しています。
このトンボ草履は、後ろの部分がなく前半分しかないもので、踵部分がないため様子から、後半がおろそかになっているという意味を持つようになりました。
江戸時代頃から比喩的な表現として使われるようになったと言われています。
『尻切れトンボ』には
- 物事が中途で切れて、完結しないことのたとえ
などの意味があります。
「尻切れトンボ」の正しい使い方を例文で紹介!

「尻切れトンボ」は、物事が中途で切れて、完結しないことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

会議が尻切れトンボで終わってしまってモヤモヤした。
例文②

新しい企画も尻切れトンボで終わってしまった。
例文③

部長の説明は尻切れトンボで、みんなが納得いくものではなかった。
例文④

尻切れトンボにならないように、プレゼンの時間配分してください。
例文⑤

力を入れていた案件が尻切れトンボになってしまって悔しい。
【尻切れトンボを使う時の注意点】
「尻切れトンボ」は物事が途中で終わり、完結しない様子を表しますが、日常会話ではあまり使われない言葉のため、意味が通じない場合があります。
時と場合に応じて使うようにしましょう。
「尻切れトンボ」の類義語・言い換え5選

『尻切れトンボ』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 中途半端
- 竜頭蛇尾
- 計画倒れ
- 頓挫
- 尻すぼみ
類義語①中途半端の意味
始めた物事が完了しないでいること。態度などが徹底せず、どっちつかずの状態であること。また、そのさま。
引用:Weblio辞書

時間がなくて、中途半端な仕上がりになってしまった。
類義語②竜頭蛇尾の意味
はじめのうちは調子が良かったのに最後は全く振るわない結果に終わる、とか、期待外れの結果に終わる、といった意味合いを込めて用いられることが多い。
引用:Weblio辞書

この映画の竜頭蛇尾な展開にがっかりした。
類義語③計画倒れの意味
計画していたものの、実施、実行に至らないままで終わること。挫折、頓挫、絵に描いた餅、などと表現することもある。
引用:Weblio辞書

この案件は計画倒れに終わった。
類義語④頓挫の意味
物事が途中で中断し、計画や目的が達成されない状態を指す言葉である。何かを進行させている最中に、予期せぬ問題や困難が生じ、その結果として進行が停止することを表す。
引用:Weblio辞書

そのプロジェクトは資金問題で頓挫してしまったようだ。
類義語⑤尻すぼみの意味
物事の規模や勢いなどが、終わりに近づくにつれて段々と小さくなったり弱まったりすること。
引用:Weblio辞書

このイベントは尻すぼみになってしまった。

「尻切れトンボ」と「尻切れ草履」の違いは?

「尻切れトンボ」と「尻切れ草履」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「尻切れトンボ」には物事が中途で切れて、完結しないことという意味がありますが、
それに対し「尻切れ草履」には、かかとに当たる部分がなく、後ろのほうが切れたように見える短い草履ということから転じて物事が中途半端で終わってしまうことという意味があります。
どちらも物事が途中で終わって完結しないことを表す言葉で、大きな違いがありません。
しかし一般的には「尻切れ草履」よりも「尻切れトンボ」のほうが、広く使われている言い回しです。
「尻切れトンボ」は英語で『Unfinished』

尻切れトンボは英語の『Unfinished』に言い換えることができます。
英語の『Unfinished』には
- 終わっていない
- 仕上がっていない
- 未完成の
- 仕上げをしてない
という意味があります。
「尻切れトンボ」の対義語・反対語は『完結』

尻切れトンボの対義語は、『完結』になります。
完結には
- 続いていた物事などがすっかり終わること
- 終わってまとまること
などの意味があり、続いていた物事などがすっかり終わることを表す際に用いられます。

彼女が主体として動いていた案件は無事に完結した。
物事が中途で切れて、完結しないことのたとえという意味の「尻切れトンボ」に対して、続いていた物事などがすっかり終わることという意味の「完結」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
