「相対的」という言葉には、「他との関係において成り立つさま」という意味があります。
なんらかの比較をする上でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「相対的」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
相対的の意味は『他との関係において成り立つさま』
相対的の読み方は「そうたいてき」です。
語源は、他との関係の上に存在あるいは成立しているという意味の相対という言葉に、接尾辞の的という言葉が組み合わさったものです。
『相対的』には
- 他との関係において成り立つさま・他との比較の上に成り立つさま
- 名詞「相対」に、接尾辞「的」がついたもの
などの意味があります。
「相対的」の正しい使い方を例文で紹介!
「相対的」は、比較そのものを意味するだけでなく、比較することの重要性を示すために使われることが多い言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
相対的に見て、A社の商品はB社の商品よりも優れている。
例文②
C君は相対的に言えば他の人よりコミュニケーション能力が高い。
例文③
いろいろな人の意見を聞いて相対的に判断するべきだ。
【相対的を使う時の注意点】
物事の比較対象が存在している状態で使える表現です。
「相対的」の類義語は『比較的』
『相対的』の類義語や言い換えの言葉は1つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
類義語 比較的の意味
他の同種のものや一般的基準とくらべてみたときに判断されるさま。わりあい。
引用:goo辞書
今回のテストは前回のテストに比べて比較的によくできている。
「相対的」と「総体的」の違いは?
「相対的」と「総体的」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「相対的」には他との関係において成り立つさまという意味がありますが、
それに対し「総体的」には、全体的という意味があります。
相対的と総体的はどちらも「そうたいてき」と読みますが、相対的は物事を比較することで成立する表現であり、総体的は物事を部分的ではなく全体で考えることを意味する表現です。
「相対的」は英語で『relative』
相対的は英語の『relative』に言い換えることができます。
英語の『relative』には
- 比較上の・相対的な・相関的な (⇔absolute).
- 関係があって・関連して
- 呼応して・比例して
- 関係を示す・関係詞に導かれた
という意味があります。
「相対的」の対義語・反対語は『絶対的』
相対的の対義語は、『絶対的』になります。
絶対的には
- 他と比べようもないゆるぎない状態であるさま
- 対象集団の中で比較して得られた相対的位置づけにより評価するのでなく、固定した基準によって評価すること
などの意味があり、他の物事と比較しようもない状態である場合に用いられます。
母の言うことは絶対的で逆らうことができない。
相対的は物事を比較することで成立する表現であり、絶対的は他の物事と比較しようもない状態である場合に使われる表現です。