「乾坤一擲」という言葉には、「運命をかけて大勝負をすること」という意味があります。
ビジネスやスポーツなどの場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「乾坤一擲」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
乾坤一擲の意味は『運命をかけて大勝負をすること』
乾坤一擲の読み方は「けんこんいってき」です。
語源は、漢と楚の戦いを謳った韓愈(かんゆ)の漢詩です。
項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)の戦いについての詩の中に「真に一擲を成(な)して乾坤(けんこん)を賭(と)す」という文章が出てきます。
「乾坤」とは天地、「一擲」はひとたび投げることを表しており、この戦いが天地をかけた大勝負であることを意味しており、そこから現代でも運命をかけて大勝負をすることという意味で使われるようになりました。
『乾坤一擲』には
- 運命をかけて大勝負をすること
などの意味があります。
「乾坤一擲」の正しい使い方を例文で紹介!
「乾坤一擲」は、ビジネスやスポーツなどの場面で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子今年度、我が社は社運をかけた乾坤一擲の新事業に挑戦します。
例文②
B男次の会議で、乾坤一擲の企画を提案しようと思う。
例文③
C子試合時間が残り少ない場面でフォーメーションを変更したのは、監督による乾坤一擲の判断だった。
例文④
B子フリーランスになったのは乾坤一擲の選択でしたが、結果的には成功でした。
例文⑤
C男人生には、時に乾坤一擲の精神で挑戦しなければいけない場面がある。
【乾坤一擲を使う時の注意点】
一般的には「乾坤一擲」と表記されますが、「一機乾坤」」という表記でも同じ意味で使われます。
「乾坤一擲」の類義語・言い換え4選
『乾坤一擲』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 運否天賦(うんぷてんぷ)
- 一か八か
- 賽は投げられた
- 伸るか反るか
類義語①運否天賦(うんぷてんぷ)の意味
運のよしあしは天が決めるということ。運を天に任せること。
引用:Weblio辞書
B子やるべきことは全てやったので、合格するかどうかは運否天賦に任せます。
類義語②一か八かの意味
結果はどうなろうと、運を天に任せてやってみること。のるかそるか。
引用:Weblio辞書
A子一か八か勘で馬券を買ってみたら、大当たりだった。
類義語③賽は投げられたの意味
事ここに至ったうえは、結果はどうなろうとも断行するほかはない。
引用:Weblio辞書
B男ついに退職届を提出し、賽は投げられた。独立に向けて頑張るしかない。
類義語④伸るか反るかの意味
成否は天にまかせ、思い切って物事を行うこと。いちかばちか。
引用:Weblio辞書
B子どうなるか分からないけど、伸るか反るか新しい技法を試してみる。

「乾坤一擲」と「一六勝負」の違いは?
「乾坤一擲」と「一六勝負」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「乾坤一擲」には運命をかけて大勝負をすることという意味がありますが、
それに対し「一六勝負」には、さいころの目に一が出るか六が出るかをかけてする勝負という意味があります。
どちらも勝負に関する言葉ですが、「乾坤一擲」は自分や会社の運命をかけるような大仕事や、大事な試合などの勝負ごとに対して用いられ、「一六勝負」は比較的小さな勝負や賭け事に対して用いられます。
「乾坤一擲」は英語で『stake all 』
乾坤一擲は英語の『stake all 』に言い換えることができます。
英語の『stake all 』には
- 乾坤一擲
という意味があります。
「乾坤一擲」の対義語・反対語は『石橋を叩いて渡る』
乾坤一擲の対義語は、『石橋を叩いて渡る』になります。
石橋を叩いて渡るには
- 堅固に見える石橋でも、なお、安全を確かめてから渡る
- 用心の上にも用心深く物事を行うことのたとえ
などの意味があり、用心深く物事を行うことを表すときに用いられます。
B男石橋を叩いて渡る性格なので、試験の前には何度も復習しないと気が済まない。
「乾坤一擲」は運命をかけて大勝負をすることという意味で使われ、「石橋を叩いて渡る」は用心の上にも用心深く物事を行うことという意味で使われます。


