「嚆矢」という言葉には、「かぶら矢/物事のはじまり」という意味があります。
新しいことのはじまりを表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「嚆矢」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「嚆矢」の意味は『かぶら矢/物事のはじまり』
嚆矢の読み方は「こうし」です。
語源は中国の戦争で、戦闘開始の合図として射った音の鳴る矢から来ており、
- 「嚆」はさけびよぶこと
- 「矢」は弓の弦につがえ、距離を隔てた目的物を射るもの
の2つが合わさってできた言葉です。
『嚆矢』には
- かぶら矢
- 物事のはじまり
などの意味があります。
「嚆矢」の正しい使い方を例文で紹介!
「嚆矢」は、新しいことのはじまりを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

この店は、日本でブームとなったタピオカ専門店の嚆矢となりました。
例文②

デリバリーサービスにおいて、我が社が業界の嚆矢となった自負があります。
例文③

このプロジェクトには嚆矢から携わっているので、思い入れがあります。
例文④

今回発売される端末は、最新技術の嚆矢となる商品です。
例文⑤

合戦の合図となる嚆矢が放たれるシーンは、鳥肌が立った。
【嚆矢を使う時の注意点】
「嚆矢」にはかぶら矢という意味もありますが、現代では「物事のはじまり」という意味で使われる場面がほとんどです。
「嚆矢」の類義語・言い換え5選
『嚆矢』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 発端
- 先駆け
- 皮切り
- 最初
- 第一
類義語①発端の意味
- 物事の始まり。事の起こり。
- 心の底。心底。
引用:Weblio辞書

特番が人気だったことが発端になって、番組のレギュラー化が決まった。
類義語②先駆けの意味
- 他の者に先んじて敵中に攻め入ること。
- 他のものより先になること。また、そのもの。先駆(せんく)
引用:Weblio辞書

彼女のファッションは流行の先駆けとなった。
類義語③皮切りの意味
- 物事のしはじめ。手始め。
- 最初に据える灸(きゅう)。
引用:Weblio辞書

彼の発言を皮切りに、会議は白熱していった。
類義語④最初の意味
いちばんはじめ。
引用:Weblio辞書

成績に基づいて、彼女が最初に課題の発表を行うことになった。
類義語⑤第一の意味
- 順序のいちばんはじめ。最初。
- 最もすぐれていること。
- 最も重要であること。
引用:Weblio辞書

息子は今日の第一試合に出場する予定です。

「嚆矢」と「鏑矢」の違いは?
「嚆矢」と「鏑矢」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「嚆矢」にはかぶら矢・物事のはじまりという意味がありますが、
それに対し「鏑矢」には、鏑をつけた矢・鳴り矢という意味があります。
どちらも音が鳴る部品が付いた矢のことを指しますが、「嚆矢」は「物事のはじまり」という意味を持つのに対し、「鏑矢」にはその意味はありません。
「嚆矢」は英語で『start』
嚆矢は英語の『start』に言い換えることができます。
英語の『start』には
- 動き始める
- 始まる
という意味があります。
「嚆矢」の対義語・反対語は『終局』
嚆矢の対義語は、『終局』になります。
嚆矢には
- 碁・将棋を打ちおわること
- 物事の結末がつくこと
などの意味があり、物事の終わりを表すときに用いられます。

政界を揺るがす派閥同士の争いが終局を迎えた。
「嚆矢」は物事のはじまりという意味で使われ、「終局」は物事の結末がつくことという意味で使われます。
