「殊勝」という言葉には、「心がけや行動などが感心なさま」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉なので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「殊勝」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「殊勝」の意味は『心がけや行動などが感心なさま』
殊勝の読み方は「しゅしょう」です。
「殊勝」の語源は仏教用語で「殊に勝れていること」を意味しています。
「珠」と「勝」のそれぞれの意味は、
- 「殊」は特に
- 「勝」はすぐれていること
この2つが合わさってできた言葉です。
『殊勝』には
- とりわけすぐれているさま
- 心がけや行動などが感心なさま
- 神々しいさま
などの意味があります。
「殊勝」の正しい使い方を例文で紹介!
「殊勝」は、心がけや行動などが感心なさまを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼女はいつも殊勝な態度で人と関わっている。
例文②
彼は真面目で殊勝な人だ。
例文③
特に新人時代は、先輩に対して殊勝な心がけをしていました。
例文④
殊勝な態度の同期は、先輩から可愛らがれている。
例文⑤
殊勝な人になりたいが、自分には程遠い。
【殊勝を使う時の注意点】
殊勝な人や態度とは、控えめな様子や真面目で素直な態度のことを表します。
「殊勝」は褒め言葉として使うことができますが、上から目線や皮肉だと捉えられる可能性があるため、目上の方に使うのは避けた方が良いでしょう。
「殊勝」の類義語・言い換え3選
『殊勝』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 健気
- 神妙
- 奇特
類義語①健気の意味
殊勝なさま。心がけがよく、しっかりしているさま。特に、年少者や力の弱い者が困難なことに立ち向かっていくさま。
引用:goo辞書
毎日お弁当を作ってくれるなんて、健気な彼女だね。
類義語②神妙の意味
心がけや行いが立派ですぐれていること。けなげで感心なこと。また、そのさま。殊勝。しんびょう。
引用:goo辞書
彼は部長の話を神妙な様子で話を聞いていた。
類義語③奇特の意味
言行や心がけなどがすぐれていて、褒めるに値するさま。
引用:goo辞書
朝早く会社に来てオフィスを掃除しているなんて、君は奇特な人だね。
「殊勝」と「健気」の違いは?
「殊勝」と「健気」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「殊勝」には心がけや行動などが感心なさまという意味がありますが、
それに対し「健気」には、心がけがよく、しっかりしているさまという意味があります。
「殊勝」は心がけや行動が感心するほど立派な様子を表しますが、
「健気」は困難な状況下でも挫けずに気丈に振る舞う様子を褒める際に使われます。
どちらも目上の人に使うには適さない言葉で、同僚や部下など、対等な立場か目下の人を評価する言葉です。
特に「健気」は女性や子供に対してよく使われます。
似ている言葉ですが、ニュアンスが若干異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「殊勝」は英語で『laudable』
殊勝は英語の『laudable』に言い換えることができます。
英語の『laudable』には
- 称賛するに足る
- 見上げた
などという意味があります。
「殊勝」の対義語・反対語は『横柄』
殊勝の対義語は、『横柄』になります。
横柄には
- いばって、人を無視した態度をとること
- 無礼、無遠慮なこと
などの意味があり、いばって、人を無視した態度をとることを表す際に用いられます。
父の横柄な態度が嫌いでした。
心がけや行動などが感心なさまを表す「殊勝」に対して、いばって、人を無視した態度をとることという意味の「横柄」は、反対の意味の言葉として使うことができます。