「席巻」という言葉には、「はげしい勢いで勢力範囲をひろげること」という意味があります。
日常会話やビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「席巻」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「席巻」の意味は『はげしい勢いで勢力範囲をひろげること』
席巻の読み方は「せっけん」です。
語源は古代中国の時代に書かれた『戦国策(せんごくさく)』という史書です。
その中で、藁などを素材とした敷物である席(むしろ)を片端から巻く様子から、勢いよく領土を拡大していくことを「席巻」と表現するようになりました。
- 「席」は藁などを素材とした敷物
- 「巻」は巻くこと
の2つが合わさってできた言葉です。
『席巻』には
- むしろを巻くように領土を片端から攻め取ること
- はげしい勢いで、自分の勢力範囲をひろげること
などの意味があります。
「席巻」の正しい使い方を例文で紹介!
「席巻」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①日常会話で使う時
日常会話では人気がある様子や、注目を集めている様子を表す時に使われます。
【例文①】
このバンドは1980年代に世界を席巻した。
【例文②】
衝撃的なニュースがSNSを席巻しました。
例文②ビジネスシーンで使う時
ある企業や商品などが市場を支配している様子を表す時に使われます。
【例文①】
あのブランドの新商品は、発売されるたびに市場を席巻している。
【例文②】
弊社の新サービスは、必ず世界を席巻するでしょう。
例文③感染症やウイルスに対して使う時
感染症やウイルスが流行していることを表す時に使われます。
【例文①】
未知のウイルスが世界を席巻している。
【例文②】
新たな感染症が日本中を席巻しているが、手洗いうがいで予防できるようです。
【席巻を使う時の注意点】
使われる文脈によって少しずつ意味合いが変わってくるので、適切な使い方を理解することが大切です。
「席巻」の類義語・言い換え4選
『席巻』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 脚光を浴びる
- 一世を風靡する
- もてはやされる(もてはやす)
- 耳目(を集める)
類義語①脚光を浴びるの意味
- 舞台に立つ。
- 世間の注目の的となる。
引用:goo辞書
彼女はこの映画の主演を務めたことで、脚光を浴びることになった。
類義語②一世を風靡するの意味
その時代の人々がことごとく受け入れ従うようにする。ある時代に圧倒的に流行する。
引用:goo辞書
その商品は発売されると、瞬く間に一世を風靡しました。
類義語③もてはやされる(もてはやす)の意味
- 盛んにほめる。多くの人が話題にする。
- 見ばえのするようにする。引き立てる。
- 歓待する。饗応する。もてなす。
引用:goo辞書
この曲は若い世代の間でもてはやされているらしい。
類義語④耳目(を集める)の意味
- 耳と目。聞くことと見ること。見聞。
- 多くの人々の注意。
- ある人の目や耳となって、仕事を助けること。また、その人。
引用:goo辞書
日本人初の受賞という快挙は、世間の耳目を集めるニュースになりました。
「席巻」と「圧巻」の違いは?
「席巻」と「圧巻」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「席巻」にははげしい勢いで勢力範囲をひろげることという意味がありますが、
それに対し「圧巻」には、全体の中で、最もすぐれた部分という意味があります。
共通する漢字が使われているため混同しやすい言葉ですが、異なる意味を持つ言葉なので、使う場面には注意が必要です。
「席巻」は英語で『take by storm』
席巻は英語の『take by storm』に言い換えることができます。
英語の『take by storm』には
- たちまち魅了する
という意味があります。
「席巻」の対義語・反対語はありません
席巻の対義語はありません。