「玉に瑕」という言葉には、「せっかく優れていたり立派なのに、欠点があること」という意味があります。
何かの欠点を表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「玉に瑕」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「玉に瑕」の意味は『せっかく優れていたり立派なのに、欠点があること』
玉に瑕の読み方は「たまにきず」です。
語源は、中国の思想書に記述がある「玉瑕」に由来すると言われています。
「玉」は美しいものや優れたものを、「瑕」は小さな欠点や傷を意味し、中国の古典では、どんなに美しいものにも小さな欠点はあるという意味で使われていました。
このことから転じて、日本では、優れているものにも欠点があることを指す慣用句として用いられるようになりました。
『玉に瑕』には
- せっかく優れていたり立派なのに、欠点があること
などの意味があります。
「玉に瑕」の正しい使い方を例文で紹介!
「玉に瑕」は、せっかく優れていたり立派なのに、欠点があることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼は完璧だけど、遅刻ぐせが玉に瑕だね。
例文②

家の間取りは理想的だけど、駅から遠いのが玉に瑕。
例文③

彼女は優しいけど、少しおっちょこちょいなのが玉に瑕だよ。
例文④

味も雰囲気もいいけど、店員さんの対応が玉に瑕。
例文⑤

彼の文章は素晴らしいが、誤字が玉に瑕。
【玉に瑕を使う時の注意点】
「玉に瑕」は、全体として優れているものにわずかな欠点があることを意味するので、長所を前提にすることを意識して用います。
また、表記に注意が必要で、「偶に瑕」や「玉に傷」と書くのは誤りです。
正しく「玉に瑕」と覚えておきましょう。
「玉に瑕」の類義語・言い換え3選
『玉に瑕』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 欠点
- 弱点
- 難点
類義語①欠点の意味
不十分なところ。足りないところ。短所。あら。
引用:Weblio辞書

誰にでも欠点はあるものだ。
類義語②弱点の意味
十分でない点。欠点。
引用:Weblio辞書

彼の弱点は、プレッシャーに弱いところだ。
類義語③難点の意味
むずかしいところ。処理などの困難な点。
引用:Weblio辞書

このプランの難点は、価格が高いことだ。

「玉に瑕」と「玉に傷」の違いは?
「玉に瑕」と「玉に傷」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「玉に瑕」にはせっかく優れていたり立派なのに、欠点があることという意味がありますが、
それに対し「玉に傷」には、「玉に瑕」の誤字です。
どちらも「たまにきず」と読むことができる言葉ですが、「瑕」は行為や性質などの欠点を意味するのに対して、「傷」は切ったり打ったりしてできた部分を意味します。
「せっかく優れていたり立派なのに、欠点があること」という意味のため、「玉に瑕」と正しく覚えましょう。
「玉に瑕」は英語で『fly in the ointment』
玉に瑕は英語の『fly in the ointment』に言い換えることができます。
英語の『fly in the ointment』には
- 玉に瑕
という意味があります。
「玉に瑕」の対義語・反対語は『完全無欠』
玉に瑕の対義語は、『完全無欠』になります。
完全無欠には
- 欠点や不足がなくて、非のうちどころのないこと
などの意味があり、欠点や不足がなくて、非のうちどころのないことを表す際に用いられます。

完全無欠の美しさを誇る建物だ。
せっかく優れていたり立派なのに、欠点があることという意味の「玉に瑕」に対して、欠点や不足がなくて、非のうちどころのないことという意味の「完全無欠」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
