「建前」という言葉には、「表向きの考え」という意味があります。
表向きの考えを表す時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「建前」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「建前」の意味は『表向きの考え』
建前の読み方は「たてまえ」です。
語源は建築用語で使われる建前が建物の表向きを指すことから来ており、
- 「建」は意見を申したてる
- 「前」はらかじめ。さきだって
の2つが合わさってできた言葉です。
『建前』には
- 原則として立てている方針
- 表向きの考え
- 家屋の建築で、柱・棟・梁などの骨組みを組みたてること
などの意味があります。
「建前」の正しい使い方を例文で紹介!
「建前」は、表向きの考えを表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼の話は建前で言っているのか本音なのか分からない。
例文②
この話は建前に過ぎないだろう。
例文③
彼はいつも建前ばかり気にしている。
例文④
建前だと分かっていても理解できないことがある。
例文⑤
建前上、彼も賛成せざるを得なかったのだろう。
【建前を使う時の注意点】
建前を使う時は誤解を招くこともあるので、注意が必要です。
「建前」の類義語・言い換え3選
『建前』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 形式
- 表向き
- 社交辞令
類義語①形式の意味
形だけで実質の伴わないこと。おざなり。
引用:goo辞書
毎回形式だけの挨拶があるのは時間の無駄だと思う。
類義語②表向きの意味
内実とは違った、世間に対する名目。うわべ。表面上。
引用:weblio辞書
あの事件は表向きには問題になっていないから怪しい。
類義語③社交辞令の意味
つきあいをうまく進めるための儀礼的なほめ言葉やあいさつ。外交辞令。
引用:goo辞書
彼は社交辞令が上手いから年上からの受けがいい。
「建前」と「嘘」の違いは?
「建前」と「嘘」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「建前」には表向きの考えという意味がありますが、
それに対し「嘘」には、事実でないことという意味があります。
「嘘」は相手を欺くことが目的で使われ、「建前」は社会的な配慮や礼儀を考慮して使われるという違いがあります。
「建前」は英語で『facade』
建前は英語の『facade』に言い換えることができます。
英語の『facade』には
- (しばしば実体よりりっぱな事物の)見かけ、外見
- (建物の)正面
という意味があります。
「建前」の対義語・反対語は『本音』
建前の対義語は、『本音』になります。
本音には
- 本心からいう言葉
- 本当の音色
- 本来の音色
などの意味があり、本心からいう言葉を表すときに用いられます。
仲が良くないとなかなか本音で話せない。
表向きの考えを表す建前に対して、本音は本心から言う言葉を表すという違いがあります。