「立つ鳥跡を濁さず」という言葉には、「立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということ」という意味があります。
何かの去り際などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「立つ鳥跡を濁さず」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「立つ鳥跡を濁さず」の意味は『立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということ』
立つ鳥跡を濁さずの読み方は「たつとりあとをにごさず」です。
語源は、水鳥という鳥に由来しています。
水鳥が飛び立つ時、その水面が全く濁らずに美しい状態であることから、潔く綺麗に去る様子を意味する言葉となりました。
『立つ鳥跡を濁さず』には
- 立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということ
- 退きぎわのいさぎよいことのたとえ
- 飛ぶ鳥跡を濁さず
などの意味があります。
「立つ鳥跡を濁さず」の正しい使い方を例文で紹介!
「立つ鳥跡を濁さず」は、立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
立つ鳥跡を濁さず。別れた男に縋るのはやめよう。
例文②
今年度で退職するが、立つ鳥跡を濁さずを実践できるようにしたい。
例文③
人生の節目では立つ鳥跡を濁さずということを大切にしている。
例文④
公共の場では立つ鳥跡を濁さずで、使ったものはきちんと片付けるのがマナーです。
例文⑤
中島くんはしっかりと引き継ぎも片付けも完璧にしてから退職した。まさに立つ鳥跡を濁さずだった。
【立つ鳥跡を濁さずを使う時の注意点】
「立つ鳥跡を濁さず」は、「断つ鳥跡を濁さず」や「立つ鳥後を濁さず」など、表記の間違いが多いため注意が必要です。
「立つ鳥跡を濁さず」の類義語・言い換え3選
『立つ鳥跡を濁さず』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 飛ぶ鳥跡を濁さず
- 原状回復
- 元通り
類義語①飛ぶ鳥跡を濁さずの意味
「立つ鳥跡を濁さず」に同じ。
引用:goo辞書
飛ぶ鳥跡を濁さず、円満に退社したい。
類義語②原状回復の意味
ある事情によってもたらされた現在の状態を、本来の状態に戻すこと。例えば、契約を解除した場合、契約締結以前の状態に回復させること。
引用:goo辞書
みんなで使うものや場所は、現状回復してから返すべきだ。
類義語③元通りの意味
以前と同じ形や状態であること。また、そのさま。副詞的にも用いる。
引用:goo辞書
昨日までお祭りで賑わっていた商店街も、今朝には元通りになっていた。
「立つ鳥跡を濁さず」と「飛ぶ鳥跡を濁さず」の違いは?
「立つ鳥跡を濁さず」と「飛ぶ鳥跡を濁さず」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「立つ鳥跡を濁さず」には立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということという意味がありますが、
それに対し「飛ぶ鳥跡を濁さず」にも、立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということという意味があります。
どちらも、立ち去る者は、あとが見苦しくないようにするべきだという意味のことわざで、同じ意味です。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」よりも、「立つ鳥跡を濁さず」の方が一般的に使われますので覚えておきましょう。
「立つ鳥跡を濁さず」は英語で『Leave everything neat and tidy when you go.』
立つ鳥跡を濁さずは英語の『Leave everything neat and tidy when you go.』に言い換えることができます。
英語の『Leave everything neat and tidy when you go.』には
- 立つ鳥跡を濁さず
という意味があります。
「立つ鳥跡を濁さず」の対義語・反対語は『後は野となれ山となれ』
立つ鳥跡を濁さずの対義語は、『後は野となれ山となれ』になります。
後は野となれ山となれには
- 目先のことさえなんとか済めば、あとはどうなってもかまわない。
などの意味があり、目先のことさえなんとか済めば、あとはどうなってもかまわないということを表す際に用いられます。
もう退職するからといって、後は野となれ山となれという態度は許せない。
立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということを意味する「立つ鳥跡を濁さず」に対して、目先のことさえなんとか済めば、あとはどうなってもかまわないという意味の「後は野となれ山となれ」は、反対の意味の言葉として使うことができます。