「手をこまねく」という言葉には、「何もしないで傍観している」などという意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「手をこまねく」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「手をこまねく」の意味は『何もしないで傍観している』など
手をこまねくの読み方は「てをこまねく」です。
「手を拱く」とも表記し、「てをこまぬく」と読む場合もありますが、どちらも間違いではありません。
語源は「こまねく」という、両手を胸の前で組み合わせて敬礼する動作です。
このことから、手を出さずに傍観している様子を表すようになりました。
『手をこまねく』には
- 両手の指を胸の前で組んで敬礼する
- 腕組みをする
- 手をつかねる
- 何もしないで傍観している
- 腕をこまぬく
などの意味があります。
「手をこまねく」の正しい使い方を例文で紹介!
「手をこまねく」は、何もしないで傍観していることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼は手をこまねいて、しばらく立ち尽くしていた。
例文②
どうすればよいのか分からず、手をこまねく。
例文③
彼は自分から動かず、いつも手をこまねいてばかりだ。
例文④
私が手をこまねいている間に、彼女はどんどん進んでいった。
例文⑤
経営が傾いていることは分かっていたが、手をこまねくことしかできなかった。
【手をこまねくを使う時の注意点】
「手をこまねく」は、何もしないで傍観していることを意味しますが、「準備して待ち構える」という意味で誤用されることが多いです。
これは「招く」という言葉が「こまねく」と似ていることから誤解されると考えられますが、「招く」と「こまねく」は全く別の言葉です。
正しく「手をこまねく」と覚えましょう。
「手をこまねく」の類義語・言い換え3選
『手をこまねく』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 傍観
- 手を束ねる
- 指をくわえる
類義語①傍観の意味
手を出さずに、ただそばで見ていること。その物事に関係のない立場で見ていること。
引用:goo辞書
上司はいつも傍観しているだけで、何もしてくれない。
類義語②手を束ねるの意味
腕組みをする。また、傍観する。手をこまぬく。
引用:goo辞書
彼は彼女のわがままに手を束ねている。
類義語③指をくわえるの意味
うらやましがりながら、手を出せずにいる。
引用:goo辞書
僕は兄夫婦の幸せそうな様子を指をくわえて見ることしかできない。
「手をこまねく」は英語で『with folded arms』
手をこまねくは英語の『with folded arms』に言い換えることができます。
英語の『with folded arms』には
- 手を拱いて
- 腕を組んで
- 腕組みして
という意味があります。
「手をこまねく」の対義語・反対語は『当たって砕けろ』
手をこまねくの対義語は、『当たって砕けろ』になります。
当たって砕けろには
- 成功するかどうかわからなくても、思いきってやってみよということ。
などの意味があり、成功するかどうかわからなくても、思いきってやってみよということを表す際に用いられます。
一か八か、当たって砕けろだ!
何もしないで傍観しているという意味の「手をこまねく」に対して、成功するかどうかわからなくても、思いきってやってみよという意味の「当たって砕けろ」は、反対の意味の言葉として使うことができます。