「稚拙」という言葉には、「幼稚で未熟なこと」という意味があります。
ビジネスシーンなどでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「稚拙」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「稚拙」の意味は『幼稚で未熟なこと』
稚拙の読み方は「ちせつ」です。
明確な語源や由来はありませんが、「稚」と「拙」のそれぞれの意味は、
- 「稚」は幼いこと
- 「拙」はつたないこと
この2つが合わさってできた言葉です。
『稚拙』には
- 幼稚で未熟なこと
などの意味があります。
「稚拙」の正しい使い方を例文で紹介!
「稚拙」は、幼稚で未熟なことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
稚拙な文章で申し訳ありません。
例文②
稚拙な字で失礼します。
例文③
あれは稚拙な発言でしたね。
例文④
稚拙ながら、資料を作成いたしましたので、ご確認お願いいたします。
例文⑤
稚拙な考えで発言するのはやめたまえ。
【稚拙を使う時の注意点】
「稚拙」は完成度が低いことなどを表すためネガティブな印象のある言葉です。
取引先や目上の人に使う際には「稚拙ながら…」と、自分自身を謙遜する形で使うようにしましょう。
また、部下や同僚に対して使う際には、受け取り手によってはショックを受けるような直接的な言い回しですので、注意して使いましょう。
「稚拙」の類義語・言い換え5選
『稚拙』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 拙い
- 未熟
- 幼稚
- お粗末
- 拙劣
類義語①拙いの意味
事を行うのに巧みでない。へたである。
引用:goo辞書
拙い文章だが、情熱は感じます。
類義語②未熟の意味
学問や技術などの経験・修練がまだ十分でないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
未熟ながら、プレゼンをさせていただきました。
類義語③幼稚の意味
考え方・やり方などが未発達なこと。子供っぽいこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
部内で1人だけ仲間外れにするなんて、そんな幼稚なことはやめた方がいい。
類義語④お粗末の意味
下等・低級であるとして、ひやかし、また謙遜・自嘲などの気持ちをこめていう語。
引用:goo辞書
お粗末な車ですが、よかったら乗っていってください。
類義語⑤拙劣の意味
技術などが劣っていること。また、そのさま。へた。
引用:goo辞書
拙劣な文章ですが、ご一読いただければと思います。
「稚拙」と「幼稚」の違いは?
「稚拙」と「幼稚」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「稚拙」には幼稚で未熟なことという意味がありますが、
それに対し「幼稚」には、考え方・やり方などが未発達なことという意味があります。
「稚拙」は技術面が未熟である場面で使われますが、「幼稚」は精神面で未熟なことを表します。
どちらも未熟なことを表す言葉ですが、ニュアンスが若干異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「稚拙」は英語で『immature』
稚拙は英語の『immature』に言い換えることができます。
英語の『immature』には
- 未熟な
- 未完成の
などという意味があります。
「稚拙」の対義語・反対語は『老功』
稚拙の対義語は、『老功』になります。
老功には
- 老人の年功
- 経験を積んで物事に熟達していること
などの意味があり、経験を積んで物事に熟達していることを表す際に用いられます。
彼はこの道30年の達人で、老功な技術を持っている。
幼稚で未熟なことという意味の「稚拙」に対して、経験を積んで物事に熟達していることを表す「老功」は、反対の意味の言葉として使うことができます。