「月と鼈」という言葉には、「二つのものがひどく違っていることのたとえ」という意味があります。
日常生活でよく使われる四字熟語ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「月と鼈」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「月と鼈」の意味は『二つのものがひどく違っていることのたとえ』
月と鼈の読み方は「つきとすっぽん」です。
語源は、月と鼈の形に由来しています。
どちらも丸い形をしていますが、大きさは比較できないくらい月の方が大きいことから、二つのものの差が大きいことを表すことわざとなりました。
『月と鼈』には
- 二つのものがひどく違っていることのたとえ
- 提灯 (ちょうちん) に釣鐘
などの意味があります。
「月と鼈」の正しい使い方を例文で紹介!
「月と鼈」は、二つのものがひどく違っていることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
出来の良い姉と私は、月と鼈だと昔から言われていた。
例文②
入賞した彼の作品と僕の作品とでは月と鼈だ。
例文③
高級店のステーキ肉とスーパーで安売りされている肉では、月と鼈です。
例文④
東大卒業の兄と、中卒の私では月と鼈だ。
例文⑤
彼と僕のカメラの画質は、月と鼈である。
【月と鼈を使う時の注意点】
「月と鼈」の「鼈」は、馴染みのない漢字ですので、一般的にはひらがなで「すっぽん」と表記されます。
優劣を意味することわざですので、人に対して使う際には気をつけましょう。
「月と鼈」の類義語・言い換え3選
『月と鼈』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 雲泥の差
- 提灯に釣鐘
- 雲泥万里
類義語①雲泥の差の意味
非常な隔たり。たいへんな差。雲泥の違い。月とすっぽん。
引用:goo辞書
彼と私の運動神経は雲泥の差がある。
類義語②提灯に釣鐘の意味
つりあいがとれないことのたとえ。
引用:goo辞書
身分的には提灯に釣鐘の二人だが、なにかと気が合うようだ。
類義語③雲泥万里の意味
今は雲泥万里だとしても、いずれは彼に追いつきたい。
「月と鼈」と「提灯に釣鐘」の違いは?
「月と鼈」と「提灯に釣鐘」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「月と鼈」には二つのものがひどく違っていることのたとえという意味がありますが、
それに対し「提灯に釣鐘」には、つりあいがとれないことのたとえという意味があります。
どちらも二つのものが釣り合わないことを意味する言葉ですが、「月と鼈」には優劣をつけるニュアンスがあるのに対して、「提灯に釣鐘」には優劣をつけるという意味合いはありません。
似ていることわざですが、時と場合に応じて使い分けましょう。
「月と鼈」は英語で『chalk and cheese』
月と鼈は英語の『chalk and cheese』に言い換えることができます。
英語の『chalk and cheese』には
- 月とスッポン
- 似て非なるもの
という意味があります。
「月と鼈」の対義語・反対語は『大同小異』
月と鼈の対義語は、『大同小異』になります。
大同小異には
- だいたいは同じだが、細かい点に違いのあること
- 似たりよったり
- 大差のないこと
などの意味があり、だいたいは同じだが、細かい点に違いのあることを表す際に用いられます。
どのプランも大同小異だから、どれでもいいよ。
二つのものがひどく違っていることという意味の「月と鼈」に対して、だいたいは同じだが、細かい点に違いのあることという意味の「大同小異」は、反対の意味の言葉として使うことができます。