「禍根を残す」という言葉には、「将来的に災難を引き起こす要因となるものを残すこと」という意味があります。
話し合いなどで問題点を未解決のままに終わらせてしまった場合などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「禍根を残す」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
禍根を残すの意味は『将来的に災難を引き起こす要因となるものを残すこと』
【残すの意味】
- あとにとどめておく。残るようにする。
- もとのままにしておく。
- 全体のうちの一部などに手をつけないでおく。
- 消さないでそのままにしておく。
- 後世に伝える。死後にとどめる。
- ためこむ。
- 相撲で、相手の攻めに対して踏みこらえる。
引用:goo辞書
禍根を残すの読み方は「かこんをのこす」です。
語源は「禍根」と「残す」が組み合わさった言葉です。
「禍根」の「禍」は、音読みだと「わざわい・まが」と読み、災いや良くないことを表します。
「根」は、物事の基礎や土台ことです。
よって「禍根」は、その物事の根本にある悪いことという意味になります。
『禍根を残す』には
- 将来的に災難を引き起こす要因となるものを残すこと
などの意味があります。
「禍根を残す」の正しい使い方を例文で紹介!
「禍根を残す」は、その時の行動や言動が適切でなかったがために、将来によくない影響が出ると思われる場面で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
修学旅行先での生徒の乱暴な振る舞いは、来年度以降に禍根を残す可能性が高い。
例文②
この問題は皆の意見をすべて出して解決しないと、禍根を残す結果になりそうだ。
例文③
一方的に不利な条件を押し付けられた企業とのやりとりは、禍根を残すので避けた方がよい。
【禍根を残すを使う時の注意点】
この言葉は、物事への対処がおざなりであったり、不適切であったために、将来自分だけでなく、全く別の人にも悪い影響を与えてしまう事を表しています。
禍根を残し続けると負の連鎖にもなりかねないので、早めの根絶が必要です。
「禍根を残す」の類義語・言い換え4選
『禍根を残す』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 尾を引く
- しこりが残る
- 引きずる
- わだかまりを持つ
類義語①尾を引くの意味
物事がすんだあとまでも、名残が続く。のちのちまで影響する。「一年前の事件が、今でも—・いている」
引用:goo辞書
不用意な発言のせいで、険悪な雰囲気が尾を引いている。
類義語②しこりが残るの意味
喧嘩は一応収まったが、両者の間にはしこりが残った。
類義語③引きずるの意味
- 地面などをすって引いて行く。
- 長い物を垂らして地面などに触れさせる。
- 無理に連れて行く。
- 故意に長引かせる。
- 捨てきれずに今なおもちつづける。いつまでも忘れないでいる。
- 普通「ひきずられる」の形で用いる)他人の行動や考えを引っ張る。影響を与える。
引用:goo辞書
失恋した気持ちをずるずると引きずったまま1週間が過ぎた。
類義語④わだかまりを持つの意味
言い分を聞いてもらえなかった彼の心にはわだかまりが残った。
「禍根を残す」と「遺恨を残す」の違いは?
「禍根を残す」と「遺恨を残す」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「禍根を残す」には将来的に災難を引き起こす要因となるものを残すことという意味がありますが、
それに対し「遺恨を残す」には、恨むような状態の気持ちがずっと残るという意味があります。
どちらもよくないものを残しているという時に使われる言葉ですが、禍根は物や事に使われるのに対して、遺恨は人の気持ちに対して使われます。
2つの言葉のどちらを使うか迷ったときは、物事に対してなのか、人に対してなのかを基準に判断するといいでしょう。
「禍根を残す」は英語で『turn a blind eye to future trouble』
禍根を残すは英語の『turn a blind eye to future trouble』に言い換えることができます。
英語の『turn a blind eye to future trouble』は、直訳すると「将来の問題点を無視する」となります。
意訳すると
- 禍根を残す
という意味があります。
「禍根を残す」の対義語・反対語はありません
禍根を残すの対義語は、ありません。
明確な対義語はありませんが意味を踏まえると、災いの元凶となっているものをなくす・良くないことが生じている根本の原因をなくす、という意味を表す「禍根を絶つ」が反対の意味で使えるでしょう。