「鶴の一声」という言葉には、「多くの人の議論や意見をおさえつける、有力者・権威者の一言」という意味があります。
よく見聞きすることわざですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「鶴の一声」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「鶴の一声」の意味は『多くの人の議論や意見をおさえつける、有力者・権威者の一言』
鶴の一声の読み方は「つるのひとこえ」です。
語源は鶴の鳴き声です。
鶴は甲高く力強い鳴き声ですが、滅多に鳴かない鳥です。
このことから、権力などの力を持っている人が発する貴重な言葉のことを「鶴の一声」と言うようになりました。
『鶴の一声』には
- 多くの人の議論や意見をおさえつける、有力者・権威者の一言
という意味があります。
「鶴の一声」の正しい使い方を例文で紹介!
「鶴の一声」は、多くの人の議論や意見をおさえつける、有力者・権威者の一言を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
会長の鶴の一声で、来年度の方針が決まりました。
例文②
なかなか進まない議題でしたが、部長の鶴の一声で決まりました。
例文③
先輩からの鶴の一声が、ミーティングの流れを決めました。
例文④
社長の鶴の一声により、来年度の予算が決まりました。
例文⑤
鶴の一声を出せるような、力のある人間になりたい。
【鶴の一声を使う時の注意点】
「鶴の一声」には、権力のある人の意見が通る、というようなイメージのある言葉ですので、時と場合に応じて使う必要があります。
使い方によっては、失礼にあたる表現になることもありますので、注意しましょう。
「鶴の一声」の類義語・言い換え2選
『鶴の一声』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 天の声
- 一存
類義語①天の声の意味
2つの案で迷っていたが、課長の天の声により、A案が採用された。
類義語②一存の意味
自分一人だけの考え。
引用:goo辞書
社長の一存により、我が社のYouTubeチャンネルを作ることになりました。
「鶴の一声」と「天の声」の違いは?
「鶴の一声」と「天の声」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「鶴の一声」には多くの人の議論や意見をおさえつける、有力者・権威者の一言という意味がありますが、
それに対し「天の声」には、権力者や、影響力が強い人物の意見という意味があります。
どちらも権力のある人の発言という意味合いがあります。
大きな違いはありませんが、どちらかというと「鶴の一声」の方が一般的に使われる言い回しです。
「鶴の一声」は英語で『final word』
doubtは英語の『final word』に言い換えることができます。
英語の『final word』には
- 鶴の一声
- 最終決定
という意味があります。
「鶴の一声」の対義語・反対語は『雀の千声』
鶴の一声の対義語は『雀の千声』ですが、一般的には「雀の千声鶴の一声」という慣用句として使われます。
雀の千声には
- つまらない者の千言
という意味があり、取るに足らない人のたくさんの声を表す際に用いられます。
この会議は、まさに、雀の千声鶴の一声だった。
多くの人の議論や意見をおさえつける、有力者・権威者の一言を表す「鶴の一声」に対して、つまらない者の千言という意味の「雀の千声」は、反対の意味の言葉として使うことができます。