「要素」という言葉には、「あるものごとを成り立たせている基本的な条件・内容・成分」という意味があります。
多様な事物の成り立ちや条件などについて話すときや、数学や科学分野でもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「要素」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「要素」の意味は『ものごとを成り立たせるために必要な一部分』
読み方:ようそ
1 あるものごとを成り立たせている基本的な内容や条件。「危険な—を含む」「犯罪を構成する—」
2 物を分析したとき、その中に見出されるそれ以上簡単にならない成分。「色の三—」
3 法律行為または意思表示の内容において、その表意者に重要な意味をもつ部分。
4 数学で、集合をつくっている一つ一つのもの。元(げん)。
引用:weblio辞書
要素の読み方は「ようそ」です。
語源は漢字の「要(ヨウ)」と「素(ソ)」から来ており、
- 「要」はある物事の最も重要な部分・かなめ
- 「素」は物事のはじまり・基本
の2つが合わさってできた言葉です。
『要素』には
- ものごとを成り立たせる内容・条件
- (数学)集合を構成するものの一つ
- 物質を構成する成分
などの意味があります。
「要素」の正しい使い方を例文で紹介!
「要素」は、多様なものごとの成り立ちや条件・成分などについて話すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
このモテ要素を習得して、モテまくろう。
例文②
人体の構成要素のうち、約60%が水分らしい。
例文③
この母集団の要素は、東京の20〜30代の女性である。
【要素を使う時の注意点】
物体の素材(成分)や、現象のもととなる内容や条件など、様々なものごとについて使われます。
「要素」の類義語・言い換え4選
『要素』の類義語や言い換えの言葉を4つご紹介します。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 素因
- 因子
- 成分
- 一部分
類義語①素因の意味
昨夜の誤爆の素因は、深酒である。
類義語②因子の意味
糖質過多は糖尿病の危険因子だと承知の上で、ホールケーキを食べる。
類義語③成分の意味
読み方:せいぶん
1 化合物や混合物などを構成している元素や純物質。
2 文法で、一つの文を構成している部分。主語・述語・修飾語などの総称。
3 数学で、一つのベクトルを各方向のベクトルに分解したときの各ベクトル。
引用:weblio辞書
猫の構成成分は、9割が「可愛さ」に違いない。
類義語④一部分の意味
私の一部分しか知らないくせにっ!
「要素」と「要因」の違いは?
「要素」と「要因」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「要素」にはあるものごとを成り立たせる基本的な内容や条件という意味がありますが、
それに対し「要因」にはものごとがそうなった主要な原因という意味があります。
どちらにもものごとを成り立たせるもとという意味がありますが、「要素」が引き起こした物事の結果の原因が「要因」と表現でき、異なる目線で使用されることがわかります。
あの事故の要因は居眠りだった・・・と。
そして、その居眠りの要素となったのが多忙による睡眠不足と過労でした。
「要素」は英語で『element』
要素は英語の『element』に言い換えることができます。
英語の『element』には
- 大きな集団を構成する成分・要素
- (化学)元素
などの意味があります。
「要素」の対義語・反対語は『構造』
要素の対義語には、『構造』があります。
構造の意味
読み方:こうぞう
1 一つのものを作り上げている部分部分の材料の組み合わせ方。また、そのようにして組み合わせてできたもの。仕組み。
2 物事を成り立たせている各要素の機能的な関連。また、そのようにして成り立っているものの全体。
3 ある集合で、演算または二点の遠近関係の規定などの数学的性質が与えられるとき、この集合の要素間の関係。数学的構造。
引用:weblio辞書
構造には
- 複数の材料の組み合わせ方
- ものごとによって成り立っているものの全体
- 要素の機能的な関連
などの意味があり、ものごとそのものやその仕組み、また、ものごとを成り立たせる要素同士の関連などを表すとき用いられます。
要素によって成り立っているものを構造と言います。