「有機的」という言葉には、「有機体のように、多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさま」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「有機的」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
有機的の意味は『有機体のように、多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさま』
有機的の読み方は「ゆうきてき」です。
「有機的」は化学の用語である「有機物」から派生した言葉です。
「有機物」とは炭素が含まれた物質のことを言います。
辞書の説明にある「有機体」とは生活機能をもち、有機物からなる組織体のこと、つまり生物のことを意味します。
『有機的』には
- 有機体のように、多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさま
という意味があります。
「有機的」の正しい使い方を例文で紹介!
「有機的」は、多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っている様子を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
各部署が有機的に連携して、会社が成り立っています。
例文②
今年の試験では、有機的な社会について書かれた説明文が出題されました。
例文③
この企業ロゴは、企業と社会の有機的な結びつきをイメージして作られました。
例文④
有機的な組織づくりについてのセミナーを受けました。
例文⑤
我が社では、有機的に活動しやすい仕組みづくりを心がけています。
【有機的を使う時の注意点】
「有機的」とは、生き物のように様々な部分が関連して構成されていることを表します。
最近では「有機的成長」というように、ビジネス用語として使われるケースもあります。
「有機的成長」とは、企業が自力で収益を拡大して成長し、利益を上げることを言うので、
併せて覚えておきましょう。
「有機的」の類義語・言い換え4選
『有機的』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 組織的
- 構造的
- 連鎖的
- 補完的
類義語①組織的の意味
共通の目的のために全体が一定の秩序をもって組み立てられているさま。
引用:goo辞書
昨夜のコンビニ強盗は、組織的な犯行だと考えられています。
類義語②構造的の意味
物事の構造、仕組み、作りに起因するさま。システム上そうなっているさま。例えば「構造的失業」は、経済構造の変化によって生み出される失業のこと。
引用:Weblio辞書
そのおもちゃには、構造的な欠陥があることが判明した。
類義語③連鎖的の意味
名詞「連鎖」に、接尾辞「的」がついたもの。
引用:Weblio辞書
その地震から、連鎖的に津波が起こりました。
類義語④補完的の意味
足りないものを補うような性質を持っている、補完するような性質を持っている、などの意味の表現。
引用:Weblio辞書
私と同僚は、補完的な役割を担っています。
「有機的」は英語で『organically』
有機的は英語の『organically』に言い換えることができます。
英語の『organically』には
- 有機的に
- 組織的に
という意味があります。
「有機的」の対義語・反対語は『無機的』
有機的の対義語は、『無機的』になります。
無機的には
- 生命力の感じられないさま
などの意味があり、生命力が感じられないことを表す場合に用いられます。
受験に失敗した弟は、しばらく無機的な表情をしていた。
多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさまという意味の「有機的」に対して、生命力の感じられないさまという意味の「無機的」は反対の意味を表す言葉として使うことができます。