「全然」という言葉には、「まるで」などという意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「全然」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「全然」の意味は『まるで』など
全然の読み方は「ぜんぜん」です。
語源は、中国の白話小説から江戸時代に借用された言葉だと言われています。
「全」と「然」のそれぞれの意味は、
- 「全」は、ある範囲内のすべてにわたるさま
- 「然」は、ほかでもなく、そうなっている
この2つが合わさってできた言葉です。
『全然』には
- まるで
- 少しも
- 残りなく
- すっかり
- 非常に
- とても
などの意味があります。
「全然」の正しい使い方を例文で紹介!
「全然」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①まるで・少しもということを表す時
後ろに打消しの表現を伴って、「まるで〜ない」ということを表す時に使われます。
【例文①】
出発するまで、全然時間がない。
【例文②】
彼女がこの学校に通っていたなんて、全然知らなかった。
例文②すっかりということを表す時
全て、すっかりということを表す時に使われます。
【例文①】
この件については、全然賛成しています。
【例文②】
彼のこれまでの不貞については、全然許しています。
例文③非常にということを表す時
非常に、とてもという物事の程度を表す際に時に使われます。
【例文①】
日程を明日から明後日に変更ですか?全然大丈夫です!
【例文②】
明日の集合、5時で全然OKです!
【全然を使う時の注意点】
「全然」は元々、後に打ち消しや否定の表現を伴って使われる言葉だとされていましたが、最近では「全然」の後に肯定的な意味が続いても間違いではないといわれています。
しかし、砕けた印象の表現となるため、目上の方や文書で用いるのは避けた方が良いでしょう。
「全然」の類義語・言い換え5選
『全然』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- まるで
- 少しも
- さっぱり
- すっかり
- とても
類義語①まるでの意味
まさしくその状態であるさま。すっかり。まったく。
引用:goo辞書
昔から計算だけはまるでできません。
類義語②少しもの意味
全然。まったく。ちっとも。
引用:goo辞書
5年もピアノを習っていましたが、少しも上手くなりませんでした。
類義語③さっぱりの意味
(あとに否定を表す語を伴って)全然。まったく。
引用:goo辞書
近くで花火大会があったようですが、さっぱり見えませんでした。
類義語④すっかりの意味
完全にある状態になっているさま。まったく。
引用:goo辞書
1ヶ月の入院を経て、すっかり良くなりました。
類義語⑤とてもの意味
程度のはなはだしいさま。非常に。たいへん。とっても。
引用:goo辞書
彼女と暮らせるようになってとても嬉しい。
「全然」と「全く」の違いは?
「全然」と「全く」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「全然」には後ろに否定の表現を伴って、まるで、少しもという意味がありますが、
それに対し「全く」には、打消しの語を伴って、完全な否定を表すという意味があります。
どちらも、後ろに打ち消しの表現を伴うことで、「まるで〜ない」「少しも〜ない」という、強い否定を表します。
どちらかといえば「全然」の方が「全く」よりも砕けたニュアンスで使われる言葉ですので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「全然」は英語で『entirely』
全然は英語の『entirely』に言い換えることができます。
英語の『entirely』には
- まったく
- 完全に
- もっぱら
- ひたすら
という意味があります。
「全然」の対義語・反対語はありません
全然の対義語は、ありません。