「実体」という言葉には、「そのものの本当の姿」という意味があります。
日常生活でもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「実体」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「実体」の意味は『そのものの本当の姿』
【実体の意味】
- そのものの本当の姿。実質。正体。
- 多様に変化してゆくものの根底にある持続的、自己同一的なもの。アリストテレスでは具体的個物、デカルトではそれ自身によって存在し、その存在のために他のなにものも必要としないもの、カントでは現象を認識するための範疇にすぎないとされた。
引用:goo辞書
実体の読み方は「じったい」です。
語源は本当という意味の「実」と一定の形や働きをもつ存在という意味の「体」から来ており、
- 「実」は本当
- 「体」は 一定の形や働きをもつ存在
の2つが合わさってできた言葉です。
『実体』には
- そのものの本当の姿
- 正体
- 多様に変化してゆくものの根底にある持続的、自己同一的なもの
などの意味があります。
「実体」の正しい使い方を例文で紹介!
「実体」は、ものの真の姿を表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
その妖怪は噂だけで実体がつかめていない。
例文②
顔のようなものが写っているという心霊写真の実体は布の模様による影であった。
例文③
重要参考人の死亡でその問題の実体把握は困難となった。
例文④
某フリマサイトではサービスなど実体のないものの出品は禁止されている。
例文⑤
実体のない2次元キャラクターに恋をしても虚しいだけだ。
「実体」の類義語・言い換え3選
『実体』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 本性
- 真実
- 本体
類義語①本性の意味
1.本来もっている性質。生まれながらの性質。ほんせい。
2.本心。また、正気。
引用:コトバンク
彼女のことは元々良く思っていなかったが、ついに本性を現した。
類義語②真実の意味
ゴシップ誌の取材力もすごいが、真実は当事者にしかわからない。
類義語③本体の意味
- そのものの本当の姿。正体。
- 付属物を除いた、主になる部分。
- 神社の神体。また、寺の本尊。
- 哲学で、現象を超えて存在する恒存的なもの。もろもろの存在の根底にあるもの。理体。
引用:goo辞書
あとは本体に細かいパーツを付ければ完成する。
「実体」と「実態」の違いは?
「実体」と「実態」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「実体」にはそのものの本当の姿という意味がありますが、
それに対し「実態」には、実際の状態という意味があります。
詐欺に関するニュースなどで「会社としてのじったいがない」という言葉を耳にすることがあると思いますが、
この場合「会社としての実態がない」が正しい表記となります。
「実体」は英語で『entity』
実体は英語の『entity』に言い換えることができます。
英語の『entity』には
- 存在物
- 本質
という意味があります。
「実体」の対義語・反対語は『無体』
実体の対義語は、『無体』になります。
無体には
- 形のないこと
- 無形
などの意味があり、もの自体が無いという意味で用いられます。
ものがあってこその「実体」ですが、そのものが無いのが「無体」です。