「著しい」という言葉には、「はっきりわかるほど目立つさま」という意味があります。
ビジネスシーンや日常会話の中でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「著しい」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
著しいの意味は『はっきりわかるほど目立つさま』
【著しいの意味】
[形][文]いちじる・し[シク]《ク活用の「いちじるし」の変化したもの》はっきりわかるほど目立つさま。明白である。顕著である。めざましい。「―・く身長が伸びる」「―・い進展を見せる」
[補説]古くはク活用であったが、中世ころからシク活用の例も見えはじめ、現代の「いちじるしい」に至る。
[派生]いちじるしさ[名]
引用:goo辞書
著しいの読み方は「いちじるしい」です。
語源は「いちしるし」で、江戸時代の頃から「いちじるし」の形に第三音節が濁音化していったものです。
度合を超えていることを表す「いち(甚)」と物事がはっきりとわかるさまを表す「しるし(著し)」の2つが合わさってできた言葉です。
『著しい』には
- はっきりわかるほど目立つさま
- 明白である
- 顕著である
などの意味があります。
「著しい」の正しい使い方を例文で紹介!
「著しい」は、誰の目から見ても明白なことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
現代テクノロジーの発展は著しい。
例文②
株価が著しく低下している!
例文③
市場調査の結果、ある世代の購買意欲が著しく上昇しています。
【著しいを使う時の注意点】
著しいは程度が大きいときに使うため、他との違いがあまり見受けられないような場合には、使わないようにしましょう。
「著しい」の類義語・言い換え5選
『著しい』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 目立つ
- かなり
- 顕著
- 大した
- 著明
類義語①目立つの意味
[動タ五(四)]とりわけ人目をひく。きわだって見える。「―・って上達する」「―・たない存在」「―・つ色」
引用:コトバンク
芸能人を街で見かけたけれど、変装していても周囲から目立っていた。
類義語②かなりの意味
《許し認める意の「可なり」から》
- [形動][文][ナリ]相当の程度まで行っているさま。また、相当の程度以上に達しているさま。「―な収入がある」「―な数にのぼる」
- [副]極端ではないが、並の程度を超えているさま。思ったより以上に。相当。「今日は―人が出ている」「―酔っているようだ」
引用:コトバンク
このオムライスは卵がかなりトロトロで美味しい!
類義語③顕著の意味
[形動][文][ナリ]際立って目につくさま。だれの目にも明らかなほどはっきりあらわれているさま。「顕著な業績」「徴候が顕著に現れる」
引用:コトバンク
基礎をしっかり学んでいる人とそうでない人では顕著な差がある。
類義語④大したの意味
[連体]
1 程度がはなはだしいさまをいう語。非常な。たいへんな。度はずれた。「大したものだ」「大した数にのぼる」
2 あとに打消しの語を伴って、特に取り立てて言うほどのことではないという気持ちを表す。それほどの。「大したことはない」「大した用事ではない」
引用:コトバンク
彼は大勢の人前でも一切物怖じしない、大した人物だ。
類義語⑤著明の意味
〘名〙 (形動) 非常にあきらかなこと。よく知れわたっていること。また、そのさま。
引用:コトバンク
著明な作家になるまでの道のりは大変なものだろう。
「著しい」と「甚だしい」の違いは?
「著しい」と「甚だしい」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「著しい」にははっきりわかるほど目立つさまという意味がありますが、
それに対し「甚だしい」には、程度や状況が極端であるという意味があります。
他と比較して程度が大きいという意味は共通していますが、「甚だしい」は主に否定的な事柄に対して使われる言葉であり、好ましい事柄に用いられることはほとんどありません。
好ましい事柄に使う際には「著しい」を使うのが一般的です。
「著しい」は英語で『remarkable』
著しいは英語の『remarkable』に言い換えることができます。
remarkableの意味
形
- 注目に値する、優れた、卓越した
・Her latest work is remarkable and will win her an award. : 彼女の最新作は注目すべきもので、彼女に賞をもたらすだろう。 - 目立った、並外れた、異例の
- 〔人が〕非凡な
引用:英辞郎
英語の『remarkable』には
- 注目に値する、優れた
- 目立った、並外れた
という意味があります。
「著しい」の対義語・反対語はない
著しいの対義語は、定義されていないようです。
そのため反対の意味で使いたい場合には、
- 乏しい
- 目立たない
などの言葉を代わりに使用するしかないようです。
このアンケート内容では対象者別の変化が乏しいな。