「浪人」という言葉には、「入学試験や入社試験に不合格となり、入学や就職ができないでいる人」という意味があります。
受験に合格することが出来ずに、高校や大学に入学出来なかったため、もう1年掛けて入学を目指す人に対し使用される意味でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「浪人」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「浪人」の意味は『入学試験や入社試験に不合格となり、入学や就職ができないでいる人』
【浪人の意味】
1. 古代、本籍地を離れ、他国を流浪している者。浮浪人。
2.中世・近世、主家を自ら去ったり、あるいは失ったりした武士。江戸時代には幕府の大名取りつぶし政策などにより著しく増加し、政治・社会問題となった。浪士。
3.入学試験や入社試験に不合格となり、入学や就職ができないでいる人。また、職を失って、きまった職のない人。
引用:goo辞書
浪人の読み方は「ろうにん」です。
語源は、本籍を離れ住みかを定めずにさまよい歩く人、流浪人を意味する漢語に由来する。
律令国家においては、税の負担から逃れるため、本籍地から逃亡する者を意味した。
中世以降は、主家から去ったりして、仕官ができずにいる武士を言うようになった。
近世には、武士以外の者が職を失うことや、その失業者も「浪人」と言うようになったことから来ており、
- 「浪」は波の様にうつろい、定まらない事や取り留めがないといった意味
- 「人」はひとやひとがらといった意味
の2つが合わさってできた言葉です。
『浪人』には
- 古代、本籍地を離れ、他国を流浪している者・浮浪人
- .中世・近世、主家を自ら去ったり、あるいは失ったりした武士
- 入学試験や入社試験に不合格となり、入学や就職ができないでいる人
などの意味があります。
「浪人」の正しい使い方を例文で紹介!
「浪人」は、入学試験や入社試験に不合格となり、入学や就職ができないでいる人に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
試験に不合格したので浪人になった。
例文②
浪人になったので、もう1年勉強しなければいけない。
例文③
あんなに勉強したのに、浪人してしまった。
例文④
浪人生なので、現役生がまぶしい。
例文⑤
浪人したので、来年こそ合格したい。
【浪人を使う時の注意点】
浪人は、通常、学校の入学試験に落ちてしまい、進学することなく勉強を続けている人のことを指しています。
仕事をせずに受験のための勉強に専念している人、とも言えます。ネガティブにとらえる人もいるので使うときには注意しましょう。
「浪人」の類義語・言い換え5選
『浪人』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 風来坊
- 山窩
- 流浪
- 風太郎
- 無職者
類義語①風来坊の意味
どこからともなくやって来る人。
引用:goo辞書
私の両親は 風来坊のような生活をしていて、ここ何年も顔を合わせていない。
類義語②山窩の意味
山地の河原などを移動して、竹細工や狩猟などを業としていた人々。
引用:goo辞書
山窩の人々は、山奥や川原に住居を構え、漂泊しながら生活していました。
類義語③流浪の意味
住むところを定めず、さまよい歩くこと。
引用:goo辞書
彼はあの長い流浪の旅を終えて、故郷に帰り着いた時のことを思い出した。
類義語④風太郎の意味
定職をもたず、ぶらぶらしている人。また、住居を定めず、さまよい歩く人。
引用:goo辞書
あの風太郎は、またどこかに行ってしまいました。
類義語⑤無職の意味
定まった職がないこと。
引用:goo辞書
彼は無職だ。
「浪人」と「留年」の違いは?
「浪人」と「留年」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「浪人」には受験に合格出来ずに、高校や大学に入学出来なかったためもう1年掛けて入学を目指すことという意味がありますが、
それに対し「留年」には、学生が進級や卒業するのに必要な単位を取得せずに、原級に留まることという意味があります。
浪人と留年は、先に進めずに停滞している状況を表す言葉という意味で似ていますが、浪人の方は、受験や入社試験に落ちてしまい、再び入学や入社を目指す人を表します。
留年は、必要な単位を取得出来なかったため進級や卒業が出来ず、もう1度同じ学年をやり直すことを表します。
「浪人」は英語で『prepare for the entrance examination』
浪人は英語の『prepare for the entrance examination』に言い換えることができます。
英語の『prepare for the entrance examination』には
- 入学試験に向けての準備
という意味があります。
アメリカでは浪人という文化があまりないそうです。
浪人に近い表現はprepare for the entrance examination。入学試験の準備をする、という意味で浪人というニュアンスになります。
「浪人」の対義語・反対語は『現役』
浪人の対義語は、『現役』になります。
現役の意味
1.旧日本陸海軍の常備兵役の一。所属部隊に入り、軍務に従っていること。また、その将校や兵士。
2. 現在ある地位・職などに就いて活動していること。また、その人。
3.在学中に上の学校などを受験する者。また、その試験に合格した者。特に、大学受験についていう。
引用:goo辞書
現役には
- 在学中に上の学校などを受験する者。また、その試験に合格した者。
などの意味があり、浪人に対する語として用いられます。
現役生の中には、かつては浪人生だった人もいるようです。
浪人とは、受験に不合格であった人がもう一年受験に向けて準備するということであり、現役生は試験に合格した人についていう意味です。