「多寡」という言葉には、「多いことと少ないこと」という意味があります。
日常生活やビジネスでもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「多寡」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「多寡」の意味は『多いことと少ないこと』
多寡の読み方は「たか」です。
「多」は小学2年生、「寡」は中学生で習う漢字で、
- 「多」はたくさん
- 「寡」は 少ない
の2つが合わさってできた言葉です。
『多寡』には
- 多いことと少ないこと
- 多いか少ないかの、その量・額
- 多少
などの意味があります。
「多寡」の正しい使い方を例文で紹介!
「多寡」は、数や量が多い少ないの程度によってという意味で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
仕事のやる気は、報酬の多寡によるものです。
例文②
金額の多寡は問わないので、有意義な交渉ができる場所を予約してください。
例文③
経験や資格の多寡を問いませんので、ぜひ応募してください。
例文④
財産の多寡で人の価値が決まるものではありません。
例文⑤
人口の多寡によって、自治体の予算は変わってきます。
【多寡を使う時の注意点】
多寡は金額や量が多いか少ないかを意味するときに使われる言葉で、少しかしこまった表現です。
主に書き言葉として使われます。
「大したことはないだろうと甘く見積もること」を指す慣用句で、「たかをくくる」という言葉を「多寡を括る」と誤用されがちです。
正しくは「高を括る」ですので注意しましょう。
「多寡」の類義語・言い換え5選
『多寡』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 多少
- 大小
- 軽重
- 強弱
- 高低
類義語①多少の意味
- 数量の多いことと少ないこと。多いか少ないかの程度。
- 多いこと。たくさん。
- 数量のあまり多くないさま。程度のあまり大きくないさま。いくらか。少し。
引用:goo辞書
昨日は予習をしてきたので、多少は有利になりそうです。
類義語②大小の意味
- 大きいことと小さいこと。大きいものと小さいもの。
- 大刀 (だいとう) と小刀。
- 大鼓 (おおつづみ) と小鼓。
- 大の月と小の月。
引用:goo辞書
そういう時は、事の大小にかかわらず報告してくださいね。
類義語③軽重の意味
読み方:けいじゅう・けいちょう
- 重量の軽いことと重いこと。また、その度合い。重さ。目方。けいじゅう。
- 価値や程度の小さいことと大きいこと。また、その度合い。けいじゅう。
- 軽んずることと重んずること。また、その度合い。けいじゅう。
引用:goo辞書
人の命に軽重はないですよ。
類義語④強弱の意味
もっと声に強弱をつけて歌うと、相手の心に響きます。
類義語⑤高低の意味
地面に高低があるため、転びやすいかもしれません。
「多寡」と「多少」の違いは?
「多寡」と「多少」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「多寡」には多いか少ないかのその量・額という意味がありますが、
それに対し「多少」には、多いか少ないかの程度という意味があります。
多少は、少ない・少しの・幾分かの意味でも使われます。
多寡は、多いことと少ないことのみを表す際に使い、多少はそれ以外を表現する時にも使うという違いです。
「多寡」は英語で『amount』
多寡は英語の『amount』に言い換えることができます。
英語の『amount』には
- 量
- 額
という意味があります。
「多寡」の対義語・反対語はありません
多寡の対義語は、ありません。