「憚られる」という言葉には、「何かを行う際に、その行為が他人を不快にさせる可能性があると考え、自己の行動を制限する概念」という意味があります。
ビジネスシーンなどでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「憚られる」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「憚られる」の意味は『何かを行う際に、その行為が他人を不快にさせる可能性があると考え、自己の行動を制限する概念』
【憚られるの意味】
何かを行う際に、その行為が他人を不快にさせる可能性があると考え、自己の行動を制限する概念を表す言葉である。一般的には、社会的な規範や他者の感情を尊重し、自身の行動が他者に与える影響を考慮することを意味する。
引用:Weblio辞書
憚られるの読み方は「はばかられる」です。
語源は、遠慮することや慎むことを意味する「憚る」の未然形に、自然とおこってしまうことを意味する「れる」がついた言葉です。
『憚られる』には
- 何かを行う際に、その行為が他人を不快にさせる可能性があると考え、自己の行動を制限する概念
- 社会的な規範や他者の感情を尊重し、自身の行動が他者に与える影響を考慮すること
などの意味があります。
「憚られる」の正しい使い方を例文で紹介!
「憚られる」は、何かを行う際に、その行為が他人を不快にさせる可能性があると考え、自己の行動を制限する概念を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
お忙しいところ憚られますが、書類の提出をお願いします。
例文②
新人の私が意見するのも憚られるのですが、本日の感想を述べさせていただきます。
例文③
この場での発言は憚られますが、一言よろしいでしょうか?
例文④
感染症が拡大していた頃、ノーマスクで出かけることは憚られました。
例文⑤
口にするのも憚られるのですが、中学時代はかなりのアニメオタクでした。
【憚られるを使う時の注意点】
「憚られる」は、何かの言動をすることが躊躇われることを表す際に使われる言葉で、自分を謙遜する表現です。
日常会話よりは、ビジネスシーンなどの改まった場面で使われますので、覚えておきましょう。
「憚られる」の類義語・言い換え3選
『憚られる』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- ためらわれる
- 恐縮
- 遠慮
類義語①ためらわれるの意味
ワ行五段活用の動詞「躊躇う」の未然形である「躊躇わ」に、受身・尊敬・自発・可能の助動詞「れる」が付いた形。
引用:Weblio辞書
年度末で退職するかどうか躊躇われる。
類義語②恐縮の意味
相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと。おそれいること。また、そのさま。
引用:goo辞書
大変恐縮ですが、こちらを通ってもよろしいですか?
類義語③遠慮の意味
人に対して、言葉や行動を慎み控えること。
引用:goo辞書
今日は風邪気味なので、飲み会は遠慮しておきます。
「憚られる」と「憚る」の違いは?
「憚られる」と「憚る」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「憚られる」には何かを行う際に、その行為が他人を不快にさせる可能性があると考え、自己の行動を制限する概念味という意味がありますが、
それに対し「憚る」には、差し当たりを覚えて戸惑う事という意味があります。
「憚られる」は謙遜の表現で、自分自身のことを下げる意味合いがありますが、「憚る」にはありません。
どちらも躊躇していることや遠慮することを表す言葉ですが、微妙にニュアンスが異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「憚られる」は英語で『be reserved』
憚られるは英語の『be reserved』に言い換えることができます。
英語の『be reserved』には
- 遠慮する
- 打ち解けない
などという意味があります。
「憚られる」の対義語・反対語は『無遠慮』
憚られるの対義語は、『無遠慮』になります。
無遠慮には
- 遠慮をせず、好きなように振る舞うこと
などの意味があり、遠慮をせず、好きなように振る舞うことを表す際に用いられます。
無遠慮に家に来るのはやめてほしい。
何かを行う際に、その行為が他人を不快にさせる可能性があると考え、自己の行動を制限する概念という意味のある「憚られる」に対して、遠慮をせず、好きなように振る舞うことという意味の「無遠慮」は、反対の意味の言葉として使うことができます。