「錯綜」という言葉には、「複雑に入り組んで混乱すること」という意味があります。
災害や事件などのニュースでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「錯綜」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「錯綜」の意味は『複雑に入り組んで混乱すること』
錯綜の読み方は「さくそう」です。
「錯」は中学2年生で習う漢字、「綜」は人名用漢字で、
- 「錯」はまじる・まざる・入り乱れる
- 「綜」はまじる・入りまじる・まじえる
の2つが合わさってできた言葉です。
『錯綜』には
- 物事が複雑に入り組んでいること
- 入り交じって混乱すること
- 錯雑
などの意味があります。
「錯綜」の正しい使い方を例文で紹介!
「錯綜」は、物事が入り組んで複雑になっていることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
情報が錯綜していて、まったく見当がつかないらしいです。
例文②
指導者の指示が錯綜していて、選手達に正しく伝わらない。
例文③
SNSではフェイクニュースやデマが錯綜しており、信じることはできません。
例文④
考えが錯綜して案がなかなかまとめられない。
例文⑤
彼女のことを考えれば考えるほど気持ちが錯綜してしまい、告白できません。
【錯綜を使う時の注意点】
「錯綜」は物事が複雑に入り組んでいること・入り交じって混乱することという意味で、物事が入り組んで複雑になっていることを表すときに使われます。
「錯綜」は例文のように、情報・考え・指示・気持ちなど形のないものについて使われることが多い言葉です。
「錯綜」の類義語・言い換え5選
『錯綜』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 混乱
- 錯乱
- 錯雑
- 交錯
- もつれる
類義語①混乱の意味
物事が入り乱れて秩序をなくすこと。いろいろなものが入りまじって、整理がつかなくなること。
引用:goo辞書
頭が混乱してしまって今後の事はまだ考えられません。
類義語②錯乱の意味
飼っていた犬が亡くなってしまい、彼女は錯乱状態でした。
類義語③錯雑の意味
この建物は錯雑した構造で、目的地になかなかたどり着けない。
類義語④交錯の意味
大手の企業に就職できるか、期待と不安が交錯しています。
類義語⑤もつれるの意味
交渉がもつれてしまい、結果は来月まで先延ばしになりました。
「錯綜」と「輻輳」の違いは?
「錯綜」と「輻輳」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「錯綜」には複雑に入り組んで混乱することという意味がありますが、
それに対し「輻輳」には、四方から寄り集まること・物事がひとところに集中することという意味があります。
「錯綜」は、それぞれの物事がなんらかの形で関わっているせいで複雑な状況を指し、単純な処理が難しいまたは不可能になっています。
一方で「輻輳」は、それぞれの物事は関係しあっておらず、単純に処理を続けていけば解決できることを指しています。
「錯綜」は英語で『complication』
錯綜は英語の『complication』に言い換えることができます。
英語の『complication』には
- 複雑・紛糾・混乱・複雑化・やっかいな問題・紛糾の種
- 併発・併発症・合併症
という意味があります。
「錯綜」の対義語・反対語は『整理』
錯綜の対義語は、『整理』になります。
整理には
- 乱れた状態にあるものを整えて、きちんとすること
- 無駄なもの、不要なものを処分すること
- あとあと煩わしい問題が起こらないように処理すること
などの意味があり、ものごとを整えて片づけたりするときに用いられます。
最近やっと気持ちの整理がつきました。
「錯綜」は入りまじって混乱している状態を意味し、「整理」は乱れた状態にあるものを整えて、きちんとすることを意味しています。