「借りてきた猫」という言葉には、「ふだんと違って非常におとなしい様子」という意味があります。
日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「借りてきた猫」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
借りてきた猫の意味は『ふだんと違って非常におとなしい様子』
借りてきた猫の読み方は「かりてきたねこ」です。
語源は、二つあると言われており、一つは環境の変化を嫌う猫は家では我が物顔に振る舞うも、自分のなわばり以外では大人しくなってしまう猫の習性から来ている説です。
二つ目は、江戸時代の日本で他の家から猫を借りてネズミを駆除しようとする習慣がありましたが、借りてきた猫は全く仕事をせず大人しいことが多かったことが転じて生まれた言葉だという説があります。
『借りてきた猫』には
- ふだんと違って、非常におとなしい様子
などの意味があります。
「借りてきた猫」の正しい使い方を例文で紹介!
「借りてきた猫」は、普段と違って非常に大人しいことを表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
娘は家でとてもわがままでおしゃべりですが、学校では借りてきた猫のように大人しいと先生に言われました。
例文②
いつも威張って上から目線の上司も、社長の前では借りてきた猫のように大人しいです。
例文③
元気なイメージの彼も移籍して気を使っているのか、借りてきた猫のように大人しい様子にびっくりしました。
例文④
いつもうるさい彼女ですが、監督の前では借りてきた猫のようにおとなしいそうです。
例文⑤
人見知りなのか、知らない人の前では借りてきた猫のようになってしまうので直したい。
【借りてきた猫を使う時の注意点】
「借りてきた猫」は普段と違って非常に大人しいことを表す時に使われ、いつもはうるさいのにある状況に置かれると無意識に静かになってしまう場合に使うことわざです。
例文のように、一般的には無意識に大人しくなる場合に使われています。
「借りてきた猫」の類義語・言い換え3選
『借りてきた猫』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 猫を被る
- 内弁慶
- 萎縮
類義語①猫を被るの意味
本性をかくしておとなしそうに見せる。また、知っていながら知らないふりをする。
引用:コトバンク
会社の先輩は、男の人の前だと猫を被るのであまり好きではありません。
類義語②内弁慶の意味
うちの娘は内弁慶なので、あまり友達もできないようです。
類義語③萎縮の意味
上司の言い方に萎縮してしまった後輩を慰めました。
「借りてきた猫」と「猫を被る」の違いは?
「借りてきた猫」と「猫を被る」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「借りてきた猫」にはふだんと違って非常におとなしい様子という意味がありますが、
それに対し「猫を被る」には、本性をかくしておとなしそうに見せる・知っていながら知らないふりをするという意味があります。
どちらも大人しくなることを意味していますが、「借りてきた猫」は無意識に大人しくなることを表すとき、「猫を被る」は意図的に大人しくなることを表すときに使われる言葉です。
つまり、大人しくなることが無意識であるか意図的であるかの違いです。
「借りてきた猫」は英語で『as meek as a kitten』
借りてきた猫は英語の『as meek as a kitten』に言い換えることができます。
英語の『as meek as a kitten』には
- 借りてきた猫のような、とてもおとなしい
という意味があります。
「借りてきた猫」の対義語・反対語はありません
借りてきた猫の対義語は、ありません。