「言わずもがな」という言葉には、「言わないほうがよい・言うまでもなく」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「言わずもがな」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「言わずもがな」の意味は『言わないほうがよい・言うまでもなく』
言わずもがなの読み方は「いわずもがな」です。
語源は、
- 「言う」の打ち消し表現である「言わず」
- 願望を表す助詞の「もが」
- 感動の助詞の「な」
が組み合わされた言葉です。
元々は「言わないということがあればいいのになぁ」というようなニュアンスで使われていた言葉です。
『言わずもがな』には
- 言わないほうがよい
- 言わでもの
- 言うまでもなく
- もちろん
などの意味があります。
「言わずもがな」の正しい使い方を例文で紹介!
「言わずもがな」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①言わないほうがよいことを表す時
言わない方がいいことを表す時に使われます。
【例文①】
こちらの製造コストについては言わずもがなのことですが、もう少し案を練った方がよいのではないでしょうか。
【例文②】
今日の営業では言わずもがなのことを言ってしまった。
例文②言うまでもなくということを表す時
わざわざ言う必要のないことを表す時に使われます。
【例文①】
彼が英語が堪能なのは言わずもがなだが、中国語も話せるとは驚きです。
【例文②】
部長が時間に厳しいのは言わずもがなだ。
【言わずもがなを使う時の注意点】
「言わずもがな」は、日本古来の大和言葉で、上品なイメージのある言い回しです。
敬語ではありませんが、目上の人との会話で使っても問題ない言葉ですので覚えておきましょう。
「言わずもがな」の類義語・言い換え5選
『言わずもがな』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 言うまでもなく
- 当たり前
- 当然
- 間違いない
- 明白
類義語①言うまでもなくの意味
わざわざ言う必要もなく、勿論、無論、当然に、などの言いの表現。
引用:Weblio辞書
言うまでもなく、彼は優秀です。
類義語②当たり前の意味
普通のこと。ありふれていること。また、そのさま。並み。ありきたり。
引用:goo辞書
会議開始5分前に着席しているのは、当たり前だ。
類義語③当然の意味
それがあたりまえであるさま。
引用:goo辞書
担当者が当日参加するのは当然だろう。
類義語④間違いないの意味
前述の内容を受け、その内容に誤りはない、即ち、その通りである、と断定する表現。
引用:Weblio辞書
彼がそう言うなら、間違いないだろう。
類義語⑤明白の意味
あきらかで疑う余地のないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
明白な根拠を提示してください。
「言わずもがな」と「言わずと知れた」の違いは?
「言わずもがな」と「言わずと知れた」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「言わずもがな」には言うまでもなくという意味がありますが、
それに対し「言わずと知れた」には、言わなくてもわかっているという意味があります。
「言わずもがな」と「言わずと知れた」のどちらにも「言わなくても周知の事実であること」という意味があり、類義語として使うことができます。
しかし、「言わずもがな」には、言わない方が良いことという意味があり、「言わずと知れた」にはありません。
「言わずもがな」は英語で『obvious』
言わずもがなは英語の『obvious』に言い換えることができます。
英語の『obvious』には
- (疑問の余地がないほど)明らかな
- 明白な
- すぐにわかる
- 理解しやすい
という意味があります。
「言わずもがな」の対義語・反対語はありません
言わずもがなの対義語は、ありません。