「逡巡」という言葉には、「決断できないで、ぐずぐずすること」という意味があります。
物事を決断するときに決めきれず、ためらうことを表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「逡巡」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「逡巡」の意味は『決断できないで、ぐずぐずすること』
逡巡の読み方は「しゅんじゅん」です。
語源は漢字の「逡」と「巡」から成り立っており、
- 「逡」はしりぞく、ためらう
- 「巡」はまわり歩く、ためらう
の2つが合わさってできた言葉です。
『逡巡』には
- 決断できないで、ぐずぐずすること
- しりごみすること
- ためらい
などの意味があります。
「逡巡」の正しい使い方を例文で紹介!
「逡巡」は、物事を決断するときに決めきれず、ためらうことを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
就職活動をするか、大学院に進むか逡巡している。
例文②
2社から内定をもらい、どちらにするか逡巡していましたが、家族と相談して意思を固めました。
例文③
海外支社への異動を打診されたが、予想外だったので逡巡してしまった。
例文④
限定グッズを買うかどうか逡巡しているうちに、売り切れてしまった。
例文⑤
部長に企画を提案したときは逡巡している様子でしたが、プレゼンの結果、採用していただけました。
【逡巡を使う時の注意点】
「逡巡を巡(めぐ)らす」という表現もありますが、どちらかというと文学的な表現のため、使用する場面には注意が必要です。
「逡巡」の類義語・言い換え4選
『逡巡』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 尻込み
- ためらう
- 二の足を踏む
- 優柔不断
類義語①尻込みの意味
- おじけて、あとじさりすること。
- 気後れしてためらうこと。ぐずぐずすること。
引用:goo辞書
相手は全国大会出場経験があると聞いて、尻込みしてしまった。
類義語②ためらうの意味
- あれこれ考えて迷う。決心がつかずにぐずぐずする。ちゅうちょする。
- ㋐気を落ち着ける。心を静める。㋑病勢を押さえつける。
- ちゅうちょして一つ所をぶらぶらする。うろつく。
引用:goo辞書
先輩のミスを指摘するかどうかためらう。
類義語③二の足を踏むの意味
一歩目は進みながら、二歩目はためらって足踏みする。思い切れずに迷う。ためらう。しりごみする。
引用:goo辞書
時計を購入しようとお店に入ったが、思ったより高額で二の足を踏む。
類義語④優柔不断の意味
ぐずぐずして、物事の決断がにぶいこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
優柔不断な性格なので、レストランで注文するメニューをなかなか決められません。
「逡巡」と「躊躇」の違いは?
「逡巡」と「躊躇」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「逡巡」には決断できないで、ぐずぐずすることという意味がありますが、
それに対し「躊躇」には、あれこれ迷って決心できないことという意味があります。
どちらも同じような意味で使うことができますが、「逡巡」は頭の中で考えを巡らせて決断できないようなニュアンスであるのに対し、「躊躇」はある物事を実行するかどうか決めることができない、といった意味合いを持ちます。
「逡巡」は英語で『hesitate』
逡巡は英語の『hesitate』に言い換えることができます。
英語の『hesitate』には
- ちゅうちょする
- ためらう
という意味があります。
「逡巡」の対義語・反対語は『即断』
逡巡の対義語は、『即断』になります。
即断には
- その場ですぐに判断したり決断したりすること
などの意味があり、物事をすぐに決断する場面を表すときに用いられます。
結婚式場の見学に行ってきたけど、1つ目で即断即決したよ。
「逡巡」は決断できないで、ぐずぐずすることという意味で使われ、「即断」はその場ですぐに判断したり決断したりすることという意味で使われます。