「利権」という言葉には、「利益を得る権利」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「利権」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「利権」の意味は『利益を得る権利』
利権の読み方は「りけん」です。
明確な語源や由来はありませんが、「利」と「権」のそれぞれの意味は、
- 「利」は、利益
- 「権」は、権利
この2つが合わさってできた言葉です。
『利権』には
- 利益を得る権利
- 特に、業者が政治家や役人と結託して獲得する権益
などの意味があります。
「利権」の正しい使い方を例文で紹介!
「利権」は、利益を得る権利を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

政治家が業界団体と結びつき、利権を守ろうとしているのは許せない。
例文②

地元の有力者たちが利権をめぐって対立しているらしい。
例文③

利権絡みの問題が連日報道されている。
例文④

都市開発に伴う利権を巡って争いが起きている。
例文⑤

特定の企業に利権が集中している。
【利権を使う時の注意点】
「利権」は、特定の個人や団体が不当に利益を得ている、あるいは既得権益を守ろうとしているという批判的な文脈で使われることが多い言葉です。
使う相手や場面に注意しましょう。
「利権」の類義語・言い換え3選
『利権』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 権益
- 特権
- 支配権
類義語①権益の意味
権利と利益。特に、ある国が他国内に持つ権利とそれに伴う利益。
引用:Weblio辞書

外資系企業と提携することになり、海外権益が拡大した。
類義語②特権の意味
特定の身分や地位の人がもつ、他に優越した権利。
引用:Weblio辞書

美味しい賄いは、この店で働いている特権だ。
類義語③支配権の意味
権利の客体を直接に支配して利益を享受しうる権利。物権・知的財産権など。
引用:Weblio辞書

前社長は経営の支配権を確立した。

「利権」と「権利」の違いは?
「利権」と「権利」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「利権」には利益を得る権利という意味がありますが、
それに対し「権利」には、一定の利益を自分のために主張し、また、これを享受することができる法律上の能力という意味があります。
「利権」は特定の利益を守ろうとする排他的で問題視されることもある権利を指しますが、「権利」は一般的かつ正当な権限を意味し、法律や社会的なルールによって認められた正当な権限や利益を得る資格という意味で使われます。
どちらも利益に関わる権利を指しますが、「利権」の方が利益独占や排他的な権利というネガティブなニュアンスで使われることが多い言葉ですので、混同しないように気をつけましょう。
「利権」は英語で『concession』
利権は英語の『concession』に言い換えることができます。
concessionの意味
譲歩、容認、譲与されたもの、(政府から得る)免許、特許、(採掘権・使用権などの)利権、特権、(売店などの)土地使用権、場内売り場、売店(など)
英語の『concession』には
- 譲歩
- 特許
- (採掘権・使用権などの)利権
- 特権
などという意味があります。
「利権」の対義語・反対語は『損失』
利権の対義語は、『損失』になります。
損失には
- そこない失うこと
- 特に、財産や利益などを失うこと
などの意味があり、そこない失うことを表す際に用いられます。

異常気象の影響で、農家には損失が発生するだろう。
利益を得る権利という意味の「利権」に対して、財産や利益などを失うことという意味の「損失」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
