「足がかり」という言葉には、「物事を開始する糸口となるもの」という意味があります。
ビジネスシーンなどでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「足がかり」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「足がかり」の意味は『物事を開始する糸口となるもの』

足がかりの読み方は「あしがかり」です。
語源は登山などで高所に登るときに足をかける場所を表す言葉です。
最近ではこの意味から転じて、「物事を始める時のきっかけ」という意味合いで広く使われるようになっています。
『足がかり』には
- 足を引っ掛ける部分
- 登攀の取っ掛かりとする
- 物事を開始する糸口となるもの
などの意味があります。
「足がかり」の正しい使い方を例文で紹介!

「足がかり」は、物事を開始する糸口となるものを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

今回の契約が、これからの継続取引の足がかりとなるだろう。
例文②

新技術導入の足がかりとして、うちの工場で実証実験を行うことになりました。
例文③

まずは小さなことから足がかりを築いていこう。
例文④

新入社員のアイディアが新事業立ち上げの足がかりとなった。
例文⑤

今回の案件を、海外進出への足がかりにしたい。
【足がかりを使う時の注意点】
「足がかり」は、物事を進めるための最初の基盤やきっかけを意味するため、何かを始める段階や出発点の話で使います。
フォーマルな場面やビジネス文書寄りの言葉で、くだけた会話ではやや堅く聞こえる場合がありますので、時と場合に応じて使うようにしましょう。
「足がかり」の類義語・言い換え4選

『足がかり』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 手がかり
- 糸口
- 端緒
- 取っかかり
類義語①手がかりの意味
問題を解決するためのいとぐち。
引用:Weblio辞書

彼の証言が、犯人逮捕への手がかりだった。
類義語②糸口の意味
きっかけ。手がかり。
引用:Weblio辞書

何気ない会話が、問題解決への糸口となった。
類義語③端緒の意味
端緒(たんしょ)とは、物事の始まりや起点を指す言葉である。何か新しい事を始める際の第一歩や、物語や議論などが始まる起点を表す際に用いられる。
引用:Weblio辞書

彼の発言が、議論の端緒となった。
類義語④取っかかりの意味
物事を始めること。また、物事を始める最初の手がかり。
引用:Weblio辞書

この作業の取っかかりから躓いている。

「足がかり」と「手がかり」の違いは?

「足がかり」と「手がかり」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「足がかり」には物事を開始する糸口となるものという意味がありますが、
それに対し「手がかり」には、問題を解決するためのいとぐちという意味があります。
「足がかり」は、目標に向かうためのきっかけや拠点という意味で、ビジネスや戦略的な場面でよく使われますが、
「手がかり」は、問題解決や捜査などでのヒントや情報を指すことが多く、探し物や調査の文脈で使われやすいです。
似ている言葉ですが、使用場面が異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「足がかり」は英語で『foothold』

足がかりは英語の『foothold』に言い換えることができます。
英語の『foothold』には
- 足がかり
- 足場
- 立脚地
- しっかりした立場
という意味があります。
「足がかり」の対義語・反対語は『足手まとい』

足がかりの対義語は、『足手まとい』になります。
足手まといには
- 行動の自由を奪うもの
- 動きを妨げるもの
- 手足に纏い付くもの
- 主に厄介者を指す表現
などの意味があり、行動の自由を奪うものを表す際に用いられます。

チームメンバーがみんな優秀なので、僕は足手まといになっていないか心配だ。
物事を開始する糸口となるものという意味の「足がかり」に対して、行動の自由を奪うものという意味の「足手まとい」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
