「疎んじる」という言葉には、「嫌って、よそよそしくする」という意味があります。
何かを遠ざけることを表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「疎んじる」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「疎んじる」の意味は『嫌って、よそよそしくする』
疎んじるの読み方は「うとんじる」です。
語源は、嫌ってよそよそしくするという意味を持つ「疎んずる」の上一段活用です。
『疎んじる』には
- 嫌って、よそよそしくする
- 遠ざけて親しまない
などの意味があります。
「疎んじる」の正しい使い方を例文で紹介!
「疎んじる」は、嫌って、よそよそしくすることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

古い慣習を疎んじる若者が増えている。
例文②

彼は形式ばった儀礼を疎んじる性格だ。
例文③

祖父は争いを疎んじる人だった。
例文④

新しい部長を疎んじる社員もいたが、次第に信頼を寄せるようになった。
例文⑤

当時、人々に疎んじられた芸術が、現代では高い評価を受けている。
【疎んじるを使う時の注意点】
「疎んじる」は少し硬い言い回しなので、日常会話ではあまり使われません。
人や物ごとから距離を置く気持ちを表すので、軽い話題には強すぎることがありますので気をつけましょう。
「疎んじる」の類義語・言い換え5選
『疎んじる』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 嫌う
- 避ける
- 敬遠
- 排斥
- 疎外
類義語①嫌うの意味
いやがって、その対象とかかわりたくないと思う。好ましくないものとして、避ける。
引用:Weblio辞書

兄は母のことを嫌っています。
類義語②避けるの意味
それとかかわることで不都合や不利益が生じると予測される人や事物から離れるようにする。また、そのような人や事物に近づかないようにする。
引用:Weblio辞書

私はいつしか彼女のことを避けるようになりました。
類義語③敬遠の意味
かかわりを持つことを嫌ってその物事を避けること。
引用:Weblio辞書

彼女は派手な服装を敬遠し、シンプルな服を好む。
類義語④排斥の意味
受け入れられないとして、押しのけ、しりぞけること。
引用:Weblio辞書

不正行為に関わった者は、メンバーから排斥された。
類義語⑤疎外の意味
嫌ってのけものにすること。
引用:Weblio辞書

新しい職場で、周囲から疎外され孤立してしまった。

「疎んじる」と「疎んずる」の違いは?
「疎んじる」と「疎んずる」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「疎んじる」には「うとんずる」の上一段活用で、遠ざけてよそよそしくすることという意味がありますが、
それに対し「疎んずる」にも、嫌って、よそよそしくするという意味があります。
どちらも、嫌って遠ざけるという意味で使われる言葉ですが、「疎んじる」は現代で一般的に使われている表現であるのに対して、「疎んずる」は古風で文語的な表現です。
意味は同じですが、ニュアンスや使われる場面に違いがあります。
「疎んじる」は英語で『detest』
疎んじるは英語の『detest』に言い換えることができます。
英語の『detest』には
- (…を)ひどく嫌う
- (…が)いやでたまらない
という意味があります。
「疎んじる」の対義語・反対語は『歓迎』
疎んじるの対義語は、『歓迎』になります。
歓迎には
- 喜んでむかえること
- 喜んで受け入れること
などの意味があり、喜んで受け入れることを表す際に用いられます。

彼女の実家の皆さんが歓迎してくれて嬉しかった。
嫌って、よそよそしくするという意味の「疎んじる」に対して、喜んで受け入れることという意味の「歓迎」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
