「猜疑心」という言葉には、「相手の言動や行動を疑う気持ちのこと」という意味があります。
人の性質や、言動について表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「猜疑心」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
猜疑心の意味は『相手の言動や行動を疑う気持ちのこと』

猜疑心の読み方は「さいぎしん」です。
語源は、人の言動をすなおに受け取らず、何かをたくらんでいるのではと疑うことという意味の「猜疑」と、こころ・精神という意味の「心」が組み合わさった言葉です。
『猜疑心』には
- 相手の言動や行動を疑う気持ちのこと
などの意味があります。
「猜疑心」の正しい使い方を例文で紹介!

「猜疑心」は、人の性質や、言動について表すとき使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼女は猜疑心が強いので、何気ない一言でも疑ってかかる。
例文②

社内の人間は自分の失脚を願っているのではないかと、猜疑心に苛まれる。
例文③

恋人に嘘をつかれていた経験から、他人に対して猜疑心を強く抱くようになった。
例文④

彼は友人に裏切られてから、猜疑心の塊のようになってしまった。
例文⑤

猜疑心が強いと人の嘘や悪意に気付くことができる代わりに、人間関係につかれてしまいそうだ。
【猜疑心を使う時の注意点】
「猜疑心」には、他人を疑うという意味の中に、他人をねたむというニュアンスも含まれています。
「猜疑心」の類義語・言い換え5選

『猜疑心』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 不信感
- 警戒心
- 疑念
- 狐疑
- 疑心暗鬼
類義語①不信感の意味
信じていない思い。信用できないという気持ち。
引用:Weblio辞書

彼女の話には矛盾点が多く、不信感が募る。
類義語②警戒心の意味
危険から身を守ろうとあらかじめ用心しておく気持ちのこと。
引用:Weblio辞書

警戒心の強い人と打ち解けるには、時間が必要です。
類義語③疑念の意味
うたがわしく思う気持ち。うたがい。
引用:Weblio辞書

特定の曜日に在庫数が合わなくなるので、従業員の中に犯人がいるのではと疑念を抱きました。
類義語④狐疑の意味
《狐(きつね)は疑い深い性質であるというところから》相手のことを疑うこと。
引用:Weblio辞書

過去の経験から、彼が人を狐疑する気持ちが強いのは仕方のないことだ。
類義語⑤疑心暗鬼の意味
うたがう心が強くなると、なんでもないことが恐ろしく感じられたり、うたがわしく思えたりする。
引用:Weblio辞書

他人の話し声でさえも、自分の噂話をしているのではないかと疑心暗鬼になってしまう。

「猜疑心」と「懐疑心」の違いは?

「猜疑心」と「懐疑心」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「猜疑心」には相手の言動や行動を疑う気持ちのことという意味がありますが、
それに対し「懐疑心」には、何かを疑う心、信頼できないと思う気持ちという意味があります。
どちらも人を疑う気持ちを表す言葉ですが、「猜疑心」には相手を妬む心や、相手が何か企んでいて自分が不利益をこうむらないかと考えるニュアンスを含んでいるのに対し、「懐疑心」は単に疑いの気持ちを抱くことを意味しています。
「猜疑心」は英語で『suspicion』

猜疑心は英語の『suspicion』に言い換えることができます。
英語の『suspicion』には
- 容疑
- 疑い
という意味があります。
「猜疑心」の対義語・反対語は『信頼』

猜疑心の対義語は、『信頼』になります。
信頼には
- 信じて頼りにすること
- 頼りになると信じること
などの意味があり、人のことを信じる気持ちを表すときに用いられます。

彼とは旧知の仲で、私が最も信頼している人物です。
「猜疑心」は相手の言動や行動を疑う気持ちのことという意味で使われ、「信頼」は信じて頼りにすることという意味で使われます。
