「八面六臂」という言葉には、「多方面で際立った活躍をすること」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「八面六臂」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「八面六臂」の意味は『多方面で際立った活躍をすること』

八面六臂の読み方は「はちめんろっぴ」です。
語源は、あらゆる方面を指す「八面」と、六本の腕を意味する「六臂」が組み合わされた言葉です。
仏教用語に由来し、八つの顔と六本の腕を持つ存在になぞらえて「一度に多方面で活躍できる」という意味合いで使われるようになりました。
『八面六臂』には
- 多方面で際立った活躍をすること
- 一人で何人分もの活躍をすること
などの意味があります。
「八面六臂」の正しい使い方を例文で紹介!

「八面六臂」は、多方面で際立った活躍をすることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子彼女の八面六臂の対応でなんとか乗り切れた。
例文②
B男彼は八面六臂でスタッフを指示していた。
例文③
C子彼女がリーダーとして八面六臂の働きをしてくれたおかげで成功した。
例文④
B子彼女が八面六臂の働きをしたため、時間より早く完成した。
例文⑤
C男店長が八面六臂で動くおかげで、この店は回転が早い。
【八面六臂を使う時の注意点】
「八面六臂」は本来仏教由来の比喩表現で、幅広く活躍する様子を誇張して褒める際に使われる言葉です。
日常会話ではやや大げさに聞こえることがあるため、場面や相手に合わせて使い分けると自然です。
「八面六臂」の類義語・言い換え5選

『八面六臂』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 活躍
- 万能
- 多才
- オールラウンダー
- 縦横無尽
類義語①活躍の意味
めざましく活動すること。
引用:Weblio辞書
B子このプロジェクトでは彼女が活躍してくれた。
類義語②万能の意味
あらゆることにすぐれていること。なんでもできること。
引用:Weblio辞書
A子彼はスポーツも勉強もできる万能タイプだ。
類義語③多才の意味
変化や種類が多くにぎやかなこと。また、そのさま。
引用:Weblio辞書
B男新入社員とは思えないほど多才です。
類義語④オールラウンダーの意味
多領域に有能な人。万能選手。オールラウンドプレーヤー。
引用:Weblio辞書
B子彼はまさにオールラウンダーの選手だ。
類義語⑤縦横無尽の意味
どの方面にも限りがないこと。物事を思う存分にすること。また、そのさま。
引用:Weblio辞書
C男彼は会議で縦横無尽にアイデアを出してくれた。

「八面六臂」と「三面六臂」の違いは?

「八面六臂」と「三面六臂」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「八面六臂」には多方面で際立った活躍をすることという意味がありますが、
それに対し「三面六臂」には、一人で数人分の働きをすることという意味があります。
「八面六臂」は「三面六臂」が元になった言葉で、どちらも、一人で多方面に活躍するという意味で使われる四字熟語です。
どちらかというと「三面六臂」よりも「八面六臂」の方が、多方面で活躍するという意味合いで使われます。
「八面六臂」は英語で『all-round』

八面六臂は英語の『all-round』に言い換えることができます。
英語の『all-round』には
- 八面六臂
- オールラウンド
- 全般にわたった
という意味があります。
「八面六臂」の対義語・反対語は『無力』

八面六臂の対義語は、『無力』になります。
無力には
- 体力や勢力などのないこと
- むりき
などの意味があり、体力や勢力などのないことを表す際に用いられます。
B男何もできずに見ているだけで、自分は無力だと感じた。
多方面で際立った活躍をすることという意味の「八面六臂」に対して、体力や勢力などのないことという意味の「無力」は、反対の意味の言葉として使うことができます。


