「暗喩」という言葉には、「直接別のものに置き換えて表現する比喩の一種」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「暗喩」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「暗喩」の意味は『直接別のものに置き換えて表現する比喩の一種』
暗喩の読み方は「あんゆ」です。
明確な語源や由来はありませんが、「暗」と「喩」のそれぞれの意味は、
- 「暗」は、直接言わない・隠すこと
- 「喩」は、たとえ
この2つが合わさってできた言葉です。
『暗喩』には
- 修辞法の一種
- 事物をたとえていう場合に「…のようだ」「…の如し」「…に似たり」などの語を使わないで、直接にたとえるものと、たとえられるものを結びつける比喩法
などの意味があります。
「暗喩」の正しい使い方を例文で紹介!
「暗喩」は、直接別のものに置き換えて表現する際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

今日の授業では暗喩について習った。
例文②

暗喩が用いられている文章は、美しさがある。
例文③

この小説では、主人公の心情を暗喩を用いて巧みに描いている。
例文④

このスピーチでは、成功を花に例える暗喩が用いられていた。
例文⑤

文章中で暗喩を使うのは難しいけど、使えるようになりたい。
【暗喩を使う時の注意点】
「暗喩」は、「その子は天使だ」のように、比べる対象を直接別のものに置き換える比喩です。
使うときは、読者や聞き手が意味を理解できる表現を選ぶことが大切です。
「暗喩」の類義語・言い換え4選
『暗喩』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 比喩
- 隠喩
- 象徴
- メタファー
類義語①比喩の意味
比喩とは、一つの事象や概念を他の事象や概念に例えて表現する手法である。
引用:Weblio辞書

先生は、比喩を用いて難しい概念を分かりやすく説明した。
類義語②隠喩の意味
比喩法の一。「…のようだ」「…のごとし」などの形を用いず、そのものの特徴を直接他のもので表現する方法。
引用:Weblio辞書

詩には、隠喩が多く登場する。
類義語③象徴の意味
「象徴」とは、概念や感情のような抽象的な物事を、より具体的なものに置き換えて端的に示すこと、または、そのような役割をもつもののことである。
引用:Weblio辞書

桜は日本文化の美しさを表す象徴だ。
類義語④メタファーの意味
「メタファー」とは、比喩の表現形式のうち、「まるで~」「~のような」などの明確な比喩表現を使わずに、他の物事になぞらえて表現する、比喩のことである。
引用:Weblio辞書

この小説では、闇が恐怖のメタファーとして描かれている。

「暗喩」と「比喩」の違いは?
「暗喩」と「比喩」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「暗喩」には直接別のものに置き換えて表現する比喩の一種という意味がありますが、
それに対し「比喩」には、一つの事象や概念を他の事象や概念に例えて表現する手法という意味があります。
「比喩」は、あるものを別のものに例える表現の総称で、「暗喩」は比喩の中の一種です。
似ている言葉ですが、意味は異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「暗喩」は英語で『metaphor』
暗喩は英語の『metaphor』に言い換えることができます。
英語の『metaphor』には
- 隠喩
- メタファー
という意味があります。
「暗喩」の対義語・反対語は『直喩』
暗喩の対義語は、『直喩』になります。
直喩には
- 比喩法の一
- 「ようだ」「ごとし」「似たり」などの語を用いて、二つの事物を直接に比較して示すもの
などの意味があり、二つの事物を直接に比較して示すものを表す際に用いられます。

息子が直喩を取り入れた文章を書く宿題を持ち帰ってきた。
直接別のものに置き換えて表現する比喩の一種の「暗喩」に対して、「ようだ」「ごとし」「似たり」などの語を用いて、二つの事物を直接に比較して示すものという意味の「直喩」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
