「回避」という言葉には、「不都合な物事や事態にならないようにする」という意味があります。
日常生活において危険や問題が起きるのを避ける場合によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「回避」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「回避」の意味は『不都合な物事や事態にならないようにすること』
【回避の意味】
- 物事を避けてぶつからないようにすること。また、不都合な事態にならないようにすること。「責任を―する」
- 訴訟事件で、裁判官または裁判所書記官が、自己に除斥または忌避される原因のあることに気づいて、その事件の取り扱いを避けること。→忌避 →除斥
引用:goo辞書
回避の読み方は「かいひ」です。
語源は漢字の組み合わせから来ており、
- 「回」はまわる・めぐる・かえる
- 「避」はさける・よける・のがれる
の2つが合わさってできた言葉です。
『回避』には
- 物事を避けてぶつからないようにすること
- 不都合な事態にならないようにすること
などの意味があります。
「回避」の正しい使い方を例文で紹介!
「回避」は、日常生活の中で危険なものや事態を避ける際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
交通渋滞を回避するために、毎朝早めに家を出る。
例文②
私は不快な話題を回避するため注意深く話した。
例文③
社長は会社としての責任を回避してはいけない。
例文④
世間体が悪くなるから離婚は回避したい。
例文⑤
遠足前、子供に言い聞かせたことでトラブルを未然に回避することができた。
【回避を使う時の注意点】
「責任回避」は責任を取らされる前に対策を練るといったネガティブな意味になります。
その一方「リスクを回避する」「トラブルを回避する」といったポジティブな使い方も可能です。
ネガティブにもポジティブにも使う言葉なので、文脈に注意して相手に正しく理解してもらえるように気をつけましょう。
「回避」の類義語・言い換え5選
『回避』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 忌避
- 敬遠
- 逃げる
- 免れる
- 避ける
類義語①忌避の意味
- きらって避けること。「徴兵を―する」
- 訴訟事件に関して、裁判官や裁判所書記官に不公正なことをされるおそれのある場合に、当事者の申し立てにより、その者を事件の職務執行から排除すること。また、そのための申し立てをすること。→回避 →除斥
引用:goo辞書
彼は徴兵を忌避した過去がある。
類義語②敬遠の意味
- 表面では敬う態度で、実際にはかかわりを持たないようにすること。「口うるさいので周囲から—される」
- かかわりを持つことを嫌ってその物事を避けること。「めんどうな仕事を—する」
- 野球で、投手が打者との勝負を避け、故意に四球を与えること。「強打者を—する」
引用:weblio辞書
彼女はすぐ人の悪口を言うので、周囲から敬遠されています。
類義語③逃げるの意味
- げたらしい」「一目散に―・げる」
- 自由のきかない所や危険から抜け出して、去る。「ライオンが檻 (おり) から―・げる」「命からがら―・げる」
- 面倒なこと、いやなことから積極的に遠ざかろうとする。直面するのを回避する。「やっかいな仕事から―・げる」「―・げないで真っ向から勝負する」
- 運動競技で、首位を行く者が、後続する者に追いつかれないで勝つ。「先行したままゴールまで―・げる」
- からだが望ましい構えから後方へ引いた状態になる。ひける。「腰が―・げている」
- 室内・容器の中の気体や味などが、そのまま保たれないで外へ出てしまう。「熱が―・げる」「土鍋はさめにくい上に風味も―・げない」
引用:goo辞書
川で釣りをしていたらクマと遭遇したので、命からがら逃げた。
類義語④免れるの意味
[動ラ下一][文]まぬが・る[ラ下二]《「まぬかれる」とも》身に受けては好ましくないことから逃れる。また、避けてそれにかかわらない。「戦火を―・れる」「責任を―・れる」
引用:goo辞書
幸いにも、私たちは大きな事故から免れることができた。
類義語⑤避けるの意味
- それとかかわることで不都合や不利益が生じると予測される人や事物から離れるようにする。また、そのような人や事物に近づかないようにする。「あの人は―・けたほうがよい」「反抗期で父親を―・ける」「都会の騒音を―・けて暮らす」「―・けて通れない問題」「ラッシュ時を―・けて出勤する」「人目を―・けて会う」
- 不都合や不利益をもたらすような言動をしないようにする。差し控える。「コメントを―・ける」「どぎつい表現は―・けたほうがよい」「武力衝突は―・けたい」
- よける。「飛び出してきた自転車を―・けきれずに衝突する」
引用:goo辞書
人目を避けるため、早朝にランニングをしています。
「回避」と「逃避」の違いは?
「回避」と「逃避」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「回避」には不都合な物事や事態にならないようにするという意味がありますが、
それに対し「逃避」には、困難や責任に直面したときに逃げたり、避けようとするという意味があります。
回避は予め危険な物事や事態が起こらないように遠ざけることを指しますが、逃避はすでに起きてしまった事態から逃げることを意味しています。
「回避」は英語で『avoidance』
回避は英語の『avoidance』に言い換えることができます。
英語の『avoidance』には
- 回避
- 避けること
という意味があります。
「回避」の対義語・反対語は『直面』
回避の対義語は、『直面』になります。
直面には
- 問題や困難に真正面から向き合うこと
- 直接立ち向かうこと
- 避けられない状態で物事に出会うこと
などの意味があり、困難な状況に立ち向かう際に用いられます。
仕事で困難な事態に直面した際には、まず冷静になることが大切です。
回避は問題が起きないように避けることを意味していますが、直面は問題に立ち向かい解決策を探すことを意味しています。