「馬耳東風」という言葉には、「他人の意見や批評を気にかけないで聞き流す」という意味があります。
この記事では、「馬耳東風」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「馬耳東風」の意味は『他人の意見や批評を気にかけないで聞き流す』

馬耳東風の読み方は「ばじとうふう」です。
語源は、唐の詩人・李白の『答王十二寒夜独有懐』という詩にある一節です。
「馬耳」は馬の耳、「東風」は暖かい風を意味し、「馬の耳に春の東風が吹いても、何の影響もない」ということから転じて、忠告や意見が耳に入らないことという四字熟語となりました。
『馬耳東風』には
- 他人の意見や批評を気にかけないで聞き流す
などの意味があります。
「馬耳東風」の正しい使い方を例文で紹介!

「馬耳東風」は、他人の意見や批評を気にかけないで聞き流すことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

部長の注意は、彼にとっては馬耳東風だったようだ。
例文②

彼女は噂話を馬耳東風で受け流した。
例文③

上司の叱責も馬耳東風、部下は平然としていた。
例文④

子供の頃、親の忠告は馬耳東風だった。
例文⑤

馬耳東風な態度を改めなさい。
【馬耳東風を使う時の注意点】
「馬耳東風」は、人の忠告や意見を全く聞かずに流すことを意味するため、基本的に否定的・皮肉なニュアンスで使われます。
批判的な含みがある言葉なので、使用の際には注意しましょう。
「馬耳東風」の類義語・言い換え5選

『馬耳東風』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 聞き流す
- 無関心
- 無視
- 聞く耳を持たない
- 知らんぷり
類義語①聞き流すの意味
聞いても心にとめないでおく。聞き捨てにする。聞き過ごす。
引用:Weblio辞書

上司の小言を、彼はただ聞き流していた。
類義語②無関心の意味
関心がないこと。興味を持たないこと。また、そのさま。
引用:Weblio辞書

彼は周囲の意見に無関心な態度を取っていた。
類義語③無視の意味
存在価値を認めないこと。また、あるものをないがごとくみなすこと。
引用:Weblio辞書

彼は上司の意見を無視した。
類義語④聞く耳を持たないの意味
相手の助言や意見を聞くつもりがないさま、頑固で素直でないさまを意味する表現。
引用:Weblio辞書

彼はどんな忠告にも聞く耳を持たない。
類義語⑤知らんぷりの意味
実際には知っていることについて、さもそれを知らないかのように振舞うこと。
引用:Weblio辞書

問題が起きても、彼は知らんぷりを決め込んだ。

「馬耳東風」と「馬の耳に念仏」の違いは?

「馬耳東風」と「馬の耳に念仏」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「馬耳東風」には他人の意見や批評を気にかけないで聞き流すという意味がありますが、
それに対し「馬の耳に念仏」には、どんなに良い教えや忠告をしても、効果がないことという意味があります。
「馬耳東風」は、聞き手が無視したり聞き流したりする態度を表すのに対して、「馬の耳に念仏」は、忠告や教えが無駄になることを表します。
どちらも馬が使われている慣用句ですが、意味やニュアンスは異なりますので、正しく覚えましょう。
「馬耳東風」は英語で『utter indifference』

馬耳東風は英語の『utter indifference』に言い換えることができます。
英語の『utter indifference』には
- 馬耳東風
という意味があります。
「馬耳東風」の対義語・反対語は『傾聴』

馬耳東風の対義語は、『傾聴』になります。
傾聴には
- 耳を傾けて、熱心に聞くこと
などの意味があり、耳を傾けて、熱心に聞くことを表す際に用いられます。

相手の意見に傾聴する姿勢が大切だ。
他人の意見や批評を気にかけないで聞き流すという意味の「馬耳東風」に対して、耳を傾けて、熱心に聞くことという意味の「傾聴」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
