「何卒」という言葉には、「相手に強く願う気持ちを表す言葉」という意味があります。
ビジネスシーンで、顧客とのやり取りを交わす場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「何卒」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「何卒」の意味は『相手に強く願う気持ちを表す言葉』
何卒の読み方は「なにとぞ」です。
「何」は小学2年生、「卒」は小学4年生で習う漢字で、
- 「何」ははっきりしない事物について問う語・事物・人などをぼかしてさす語
- 「卒」はおわる・おえる・急なさま・にわかに
の2つが合わさってできた言葉です。
『何卒』には
- 相手に強く願う気持ちを表す・どうぞ・どうか
- 手段を尽くそうとする意志を表す・なんとかして・ぜひとも
などの意味があります。
「何卒」の正しい使い方を例文で紹介!
「何卒」は、依頼などの気持ちを丁寧に強調する意味の言葉で、主に手紙やメールで使われる表現であり主にビジネスシーンで使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
例文②
ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
例文③
当面の間、営業時間を10:00~19:00に変更させていただきます。
何卒ご了承くださいませ。
例文④
本日の営業は社員研修のため休業いたします。何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
例文⑤
何卒~
【何卒を使う時の注意点】
「何卒」は「どうぞ」「どうか」の意味で、上司にお願いする場面や取引先・顧客とやり取りを交わす場面などで使う言葉です。
主にビジネスシーンで、依頼する時やメール・案内文書の締めの言葉などで使われます。
「何卒」を単独で使ったり、繰り返して使うなどカジュアルな言い方もありますが、かなり砕けた表現になるため、ビジネスシーンでは使わないよう注意が必要です。
「何卒」の類義語・言い換え4選
『何卒』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- どうぞ
- 是非
- どうか
- くれぐれも
類義語①どうぞの意味
- 丁重に頼んだり、心から願ったりする気持ちを表す。どうか。なにとぞ。
- 相手に物事を勧めたり、承知・許可を与えたりする気持ちを表す。
- ある状態や行為を実現させたいという気持ちを表す。なんとか。どうにか。
引用:goo辞書
これからもどうぞよろしくお願いします。
類義語②是非の意味
読み方:ぜひ
- どんな困難も乗り越えて実行しようとするさま。どうあっても。きっと。
- 心をこめて、強く願うさま。なにとぞ。
- ある条件のもとでは必ずそうなると判断できるさま。必ず。きまって。
引用:goo辞書
お休みの際は、ぜひお越しください。
類義語③どうかの意味
「懇願の気持ち」を示したり、「判断しかねる状況」を示したりする意味で用いられる表現。
引用:weblio辞書
お願いですから、どうかこの件は見逃してください。
類義語④くれぐれもの意味
くれぐれもお大事になさってくださいね。
「何卒」と「どうぞ」の違いは?
「何卒」と「どうぞ」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「何卒」には相手に強く願う気持ちを表すという意味がありますが、
それに対し「どうぞ」には、丁重に頼んだり、心から願ったりする気持ちを表すという意味があります。
「何卒」は「どうぞ」の改まった言い方で意味はほとんど同じです。
「何卒」は文語的な言葉で、会話ではあまり使われずメール・案内文書の締めの言葉などで使われます。
それに対して「どうぞ」は口語的な言葉で、文書よりも会話で使われることが多いです。
「何卒」は英語で『by all means』
何卒は英語の『by all means』に言い換えることができます。
英語の『by all means』には
- よろしいとも
- どうぞ・ぜひ
という意味があります。
「何卒」の対義語・反対語はありません
何卒の対義語は、ありません。