「猫に小判」という言葉には、「立派なものであっても、価値が分からない者にはなんの意味もないこと」という意味があります。
日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「猫に小判」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
猫に小判の意味は『どんな立派なものであっても、価値が分からない者にはなんの意味もないこと』

猫に小判の読み方は「ねこにこばん」です。
語源は、江戸時代の人が分かりやすく表現した言葉で、猫の前に小判を置いても、その価値が分からないので何の反応もなく、猫にとって何の意味もなく、何の役にも立たないことに由来しています。
『猫に小判』には
- どんな立派なものであっても、価値が分からない者にはなんの意味もないこと
などの意味があります。
「猫に小判」の正しい使い方を例文で紹介!

「猫に小判」は、どんな立派なものであっても、価値が分からない者にはなんの意味もないことを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼に高級時計をプレゼントしましたが、ファッションに興味がないからか猫に小判でした。
例文②

あの絵画の価値が分からないなんて、まるで猫に小判だ。
例文③

古着をプレゼントしてもらいましたが、古着の価値が全く分からないので私には猫に小判です。
例文④

有名建築家が手がけたホテルを予約したのだが、夫は建築はわからないのでまさに「猫に小判」だ。
例文⑤

飼っている犬に高級ブランドの服を着せている人を見かけるが、犬からしたら猫に小判ですよね。
【猫に小判を使う時の注意点】
「猫に小判」は、相手がその価値を理解できない状況で、高価なものや貴重なものを与えても無駄になることを指しています。
例文①・②・④のように、相手の無知や理解力のなさを指摘するニュアンスが含まれ、相手を不快にさせたり傷つけたりする可能性があるので使う際は注意が必要です。
「猫に小判」の類義語・言い換え4選

『猫に小判』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 豚に真珠
- 馬の耳に念仏
- 犬に論語
- 兎に祭文
類義語①豚に真珠の意味
貴重なものも、価値のわからない者には無意味であることのたとえ。
引用:コトバンク

父は店員に勧められるがまま、最新機種を買ってきましたが使いこなせず豚に真珠の状態です。
類義語②馬の耳に念仏の意味
馬にありがたい念仏を聞かせても無駄である。いくら意見をしても全く効き目のないことのたとえ。
引用:コトバンク

彼に何度も確認するように注意しましたが、馬の耳に念仏だったようです。
類義語③犬に論語の意味
いくら道理を説いて聞かせても益がないことのたとえ。
引用:コトバンク

彼女に何を言っても犬に論語で無駄だと思います。
類義語④兎に祭文の意味

何度説明しても、彼の態度は変わらない。まさに、兎に祭文です。

「猫に小判」と「豚に真珠」の違いは?

「猫に小判」と「豚に真珠」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「猫に小判」には立派なものであっても、価値が分からない者にはなんの意味もないことという意味がありますが、
それに対し「豚に真珠」には、貴重なものも価値のわからない者には無意味であることという意味があります。
どちらもほぼ同じ意味のことわざで、「豚に真珠」は聖書のマタイ伝からできた言葉で、海外が由来の言葉です。
一方で、「猫に小判」はより日常的な感覚から生まれた表現で日本由来の言葉です。
どちらもマイナスなイメージの言葉ですが、「豚に真珠」の「豚」という言葉がより否定なニュアンスがある為、日常的に使うなら「猫に小判」の方が適しています。
「猫に小判」は英語で『cast pearls before swine』

猫に小判は英語の『cast pearls before swine』に言い換えることができます。
英語の『cast pearls before swine』には
- 豚に真珠を投げてやる
- 猫に小判
という意味があります。
「猫に小判」の対義語・反対語は『鬼に金棒』

猫に小判の対義語は、『鬼に金棒』になります。
鬼に金棒には
- ただでさえ強いものに、一層の強さが加わること
などの意味があり、強い者に更に強さが加わり無敵となることを表すときに用いられます。

今日の会議、我がチームに先輩が来てくれるなんて鬼に金棒ですね。
「猫に小判」は価値のわからないものに、貴重なものや高価なものを与えても無駄になることを指し、「鬼に金棒」は強い者に更に強さが加わり無敵となることを指しています。
