「疑義」という言葉には、「意味・内容がはっきりしないこと」という意味があります。
物事の内容について疑問に思う点がある時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「疑義」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「疑義」の意味は『意味・内容がはっきりしないこと』
疑義の読み方は「ぎぎ」です。
語源は、人が頭をあげ思いをこらしてじっと立つ、という甲骨文字から成り立った「疑」という漢字と、
羊をいけにえとして刃物で殺す作業が、厳粛な作法やふるまいである、筋を通した行為であるという意味を持つ「義」という漢字から来ており、
- 「疑」は、疑う・本当かどうか怪しむ
- 「義」は、人として行うべき道・道理にしたがって行動する
の2つが合わさってできた言葉です。
『疑義』には
- 物事の内容について疑わしいところ
- 意味するところが明瞭でなく疑問に思われるところ
- 内容のはっきりしないところ
などの意味があります。
「疑義」の正しい使い方を例文で紹介!
「疑義」は、意味や内容がはっきりしない事を表す時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
期末テストの解答に疑義が生じたので、先生に質問した。
例文②
情報元が曖昧な記事は、鵜呑みにせず疑義を持って読む方がよい。
例文③
予想外の実験結果に疑義を持ったので、他の方法でも確かめる事にした。
【疑義を使う時の注意点】
『疑』の字を使用し、かつ「疑義」と似たような意味を持つ言葉は多く存在しています。
文章においても似たようなニュアンスで使われるので、どれを使っても同じと捉えがちですが「疑義」は公式な文章で使われる事が多く、日常会話ではあまり使いません。
「疑義」の類義語・言い換え5選
『疑義』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 疑問
- 疑惑
- 不審
- 疑念
- 懐疑
類義語①疑問の意味
- うたがい問うこと。「―を発する」
- 本当かどうか、正しいかどうか、疑わしいこと。また、その事柄。「学説に―をいだく」「本物であるかどうかは―だ
引用:goo辞書
講師のテスト解説に対して疑問を持つ。
類義語②疑惑の意味
本当かどうか、不正があるのではないかなどと疑いをもつこと。また、その気持ち。疑い。「―の目で見る」「―を招く言動」「―が晴れる」
引用:goo辞書
有名芸能人に不倫疑惑が浮上する。
類義語③不審の意味
- 疑わしく思うこと。疑わしく思えること。また、そのさま。「証言に―な点が多い」「お吉の居ぬを―して何所へと問えば」〈露伴・五重塔〉
- 嫌疑を受けること。「―の身」
引用:goo辞書
近所で不審者が出たので、警察に周辺のパトロール強化を相談した。
類義語④疑念の意味
- 疑わしく思うこと。疑わしく思えること。また、そのさま。「証言に―な点が多い」「お吉の居ぬを―して何所へと問えば」〈露伴・五重塔〉
- 嫌疑を受けること。「―の身」
引用:goo辞書
こんなにうまいもうけ話はあるはずがないと疑念を持つ。
類義語⑤懐疑の意味
物事の意味・価値、また自他の存在や見解などについて疑いをもつこと。「新療法の効果について私は―的だ」「人生を―する」
引用:goo辞書
この新薬の効果に対して、懐疑的な意見を持つ医者は多い。
「疑義」と「質疑」の違いは?
「疑義」と「質疑」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「疑義」には意味・内容がはっきりしないことという意味がありますが、
それに対し「質疑」には、疑問点を問いただすという意味があります。
この2つの言葉は言い換えてみると違いがより分かりやすくなります。
「疑義」の言い換えは、疑問・疑惑・不審など、物事があやしい様子を示し、実際に行動を起こすというニュアンスは含まれない事がほとんどです。
それに対し「質疑」は質問・訊ねる・問いただすなど、分からない事を人に聞くという行動を現す言葉です。
使用している漢字や音の響きが似ているように感じますが、意味は全く別のものとなります。
「疑義」は英語で『doubt』
疑義は英語の『doubt』に言い換えることができます。
英語の『doubt』には
- 疑う
- 信用しない
という意味があります。
「疑義」の対義語・反対語はありません
疑義に明確な対義語はありません。
対義語として近い言葉は「確実」や「確信」です。
「確実」には確かで間違いのないこと、「確信」には信じて疑わない事という意味があります。