「往々にして」という言葉には、「物事がしばしばあるさま」という意味があります。
物事がわりと高い頻度で繰り返し起こるときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「往々にして」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
往々にしての意味は『物事がしばしばあるさま』
往々にしての読み方は「おうおうにして」です。
語源は「往」の字を重ねて2回繰り返すことで「あの時もこの時も」「行く先行く先」と、物事が何度も発生していることを表したことです。
「往」は「向かう」「進む」という意味と、「過ぎ去ったこと」という時間を表すときの2つの意味があります。
『往々にして』には
- 物事がしばしばあるさま
- しばしば・度々
などの意味があります。
「往々にして」の正しい使い方を例文で紹介!
「往々にして」は、物事がわりと高い頻度で繰り返し起こることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
誰にでも往々にしてミスは起こるものです。
例文②
こんなことは往々にしてあるものだから、気にしない方がいいよ。
例文③
勢いだけで進めたプロジェクトは往々にして失敗する。
例文④
どんなに努力していたとしても、往々にしてうまくいかない時はあります。
例文⑤
受験生にプレッシャーを与えすぎると往々にして体調を崩してしまうので、気を付けないといけない。
【往々にしてを使う時の注意点】
「往々にして」は、ポジティブな事柄を表すときに使っても間違いではありませんが、ネガティブな事柄を表すときに多く使われる言葉なので、例文のようにネガティブな意味合いを持つ言葉としてのイメージがあります。
「往々にして」の類義語・言い換え5選
『往々にして』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 得てして
- しばしば
- たびたび
- ちょくちょく
- 時折
類義語①得てしての意味
急いでいるときに限って、得てして忘れ物をすることがある。
類義語②しばしばの意味
時々、よく、度々、しょっちゅう、などという意味の表現。
引用:weblio辞書
最近、頭痛がしばしば起こります。
類義語③たびたびの意味
息子の癖をたびたび注意したが、直らない。
類義語④ちょくちょくの意味
わずかの間を置いて同じことが繰り返されるさま。たびたび。ちょいちょい。
引用:goo辞書
私の母はちょくちょく遊びに来てくれます。
類義語⑤時折の意味
ときどき。ときたま。
引用:weblio辞書
こないだの試合中、監督は時折時計を見て指示を出していた。
「往々にして」と「得てして」の違いは?
「往々にして」と「得てして」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「往々にして」には物事がしばしばあるさまという意味がありますが、
それに対し「得てして」には、ある事態になる傾向のあるさまという意味があります。
「得てして」と「往々にして」は、どちらも物事がそうなりうることを意味します。
「往々にして」は「得てして」よりも断定的に物事を決めつける強い意味合いで使われることが多いです。
しかし、どちらもネガティブな事柄に対して使うことが多く意味にもほとんど違いがないので、実際の会話で決定的な違いはありません。
「往々にして」は英語で『frequently』
往々にしては英語の『frequently』に言い換えることができます。
英語の『frequently』には
- しばしば・たびたび
- 頻繁に
という意味があります。
「往々にして」の対義語・反対語は『滅多にない』
往々にしての対義語は、『滅多にない』になります。
滅多にないには
- 存在や発生がとても稀であること
- なかなか遭遇することができないさま
などの意味があり、物事が起こる頻度が少ない様子を表すときに用いられます。
社長が褒めてくれるなんて滅多にないことだ。
「滅多にない」は、物事の起こる回数がとても少ないことを意味します。
それに対して、「往々にして」は物事がわりと高い頻度で繰り返し起こるときによく使われる言葉です。