「片鱗」という言葉には、「多くの中のほんの少しの部分」という意味があります。
日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「片鱗」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「片鱗」の意味は『多くの中のほんの少しの部分』
片鱗の読み方は「へんりん」です。
語源は魚の「鱗(うろこ)」の一部分を意味することから、全体のごく一部であることが転じて、
全貌は明らかでないその兆候や一端をうかがわせる様子を表すようになりました。
- 「片」はかたほう・かけら・わずかすこし
- 「鱗」はうろこ・魚のうろこ・うろこ状のもの
の2つが合わさってできた言葉です。
『片鱗』には
- 1枚のうろこ
- 多くの中のほんの少しの部分
などの意味があります。
「片鱗」の正しい使い方を例文で紹介!
「片鱗」は、多くの中のほんの少しの部分のことを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子彼は中学時代からその才能の片鱗を見せ始めて、今では日本を代表する野球選手になりました。
例文②
B男先日入ってきた新入社員には将来のリーダーの片鱗が感じられます。
例文③
C子彼は初打席でホームランを打ち、大物ルーキーの片鱗を示しました。
例文④
B子今回の結果で、新たな発見の片鱗を掴むことができた。
例文⑤
C男まだピアノを始めたばかりの息子ですが、音楽家の片鱗があると思います。
【片鱗を使う時の注意点】
「片鱗」は多くの中のほんの少しの部分のことを指しています。
才能や知識などの「ごく一部」を示すポジティブ・中立的な言葉で。ネガティブな意味合いはありません。
「才能の片鱗」のように良い意味で使われるのが一般的で、悪い事柄に使うのは誤用になるので注意が必要です。
「片鱗」の類義語・言い換え4選
『片鱗』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 一端
- 片影
- 垣間見
- 一目
類義語①一端の意味
B子彼女はは会社経営の一端を担う重要な人物です。
類義語②片影の意味
A子あそこに飾られている作品は、作者の若き日の片影が強く感じられます。
類義語③垣間見の意味
B男社員のインタビューを通して、会社の内部事情を垣間見ることができました。
類義語④一目の意味
B子彼の才能と仕事ぶりには私も一目置いている。

「片鱗」と「氷山の一角」の違いは?
「片鱗」と「氷山の一角」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「片鱗」には多くの中のほんの少しの部分という意味がありますが、
それに対し「氷山の一角」には、表面に現れている事柄は好ましくない物事の全体のほんの一部分であることという意味があります。
どちらも全体の中の一部のことを指している言葉ですが、「片鱗」は才能や実力など基本的にプラスのイメージで使う言葉です。
一方で「氷山の一角」は、基本的にマイナスの意味で使う言葉になります。
「片鱗」は英語で『get a glimpse of』
片鱗は英語の『get a glimpse of』に言い換えることができます。
英語の『get a glimpse of』には
- 垣間見える
という意味があります。
「片鱗」の対義語・反対語はありません
片鱗の対義語は、ありません。


