「自責の念に駆られる」という言葉には、「自分で自分の罪を恥じて責めること」という意味があります。
後悔しているときや他人の罪に共感して自分のしたことのように自分を責めるときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「自責の念に駆られる」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
自責の念に駆られるの意味は『自分の行動を恥と思い悔いること』
自責の念に駆られるの読み方は「じせきのねんにかられる」です。
語源や由来は明確にされていませんが、日本語の伝統的な価値観や文化に根付いた表現と言えます。
『自責の念に駆られる』には
- 自分で自分のしたことを恥と思い悔いること
- 悪いことを犯したことに対する後悔の気持ちを持つこと
- 自分で自分を非難して後悔する行為
などの意味があります。
「自責の念に駆られる」の正しい使い方を例文で紹介!
「自責の念に駆られる」は、自分で犯した罪を悔いるときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
大きなプレゼンテーションに失敗してしまった彼は、自責の念に駆られてその夜眠れなかった。
例文②
彼女は後輩に対して言い過ぎてしまったことを後悔し、自責の念に駆られて謝罪のメッセージを送ったらしい。
例文③
交通事故で誰かを傷つけてしまった運転手は、自責の念に駆られて退職してしまった。
例文④
前回のオリンピック選手だったのに、予選でミスを連発してしまった彼は、自責の念に駆られてトレーニングに励んだ。
例文⑤
大切な仕事をミスしてしまった同僚は、自責の念に駆られて社長に謝罪し、再度プロジェクトに取り組む決意をした。
【自責の念に駆られるを使う時の注意点】
「自責の念に駆られる」とは、強く自分を責め立てて恥じることを意味する言葉で、重く受け止めていることを強調する言葉です。
軽い気持ちで反省している様子を表す場面にはそぐわない言葉ですので、自責の念に駆られるを使う時には状況をよく見極めて注意して使いましょう。
「自責の念に駆られる」の類義語・言い換え5選
『自責の念に駆られる』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 忸怩たる思い
- 慙愧に堪えない
- 自己嫌悪に陥る
- 罪の意識にさいなまれる
- 罪悪感を感じる
類義語①忸怩たる思いの意味
自ら恥じ入る気持ちに駆られること。またはそのような感情。
引用:weblio辞書
町内会の会議で夫だけ違う選択をしたので、毎日忸怩たる思いがつきまとう。
類義語②慙愧に堪えないの意味
大切なママ友に嘘をついてしまったことによって、慙愧に堪えない気持ちになる。
類義語③自己嫌悪に陥るの意味
恥と思い悔いること。
引用:weblio辞書
昔プロジェクトを失敗したこで自己嫌悪に陥ってしまい、今でも自分を許せない。
類義語④罪の意識にさいなまれるの意味
悪いことを犯したことに対する後悔の気持ちを持つこと。
引用:weblio辞書
自分の不注意が原因で事故が起きてしまって、罪の意識にさいなまれる日々が続いています。
類義語⑤罪悪感を感じるの意味
悪いことを犯したことに対する後悔の気持ちを持つこと
引用:weblio辞書
死んだ父親には感謝の気持ちを表せなかったことを後悔しており、罪悪感を感じています。
「自責の念に駆られる」と「罪悪感」の違いは?
「自責の念に駆られる」と「罪悪感」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「自責の念に駆られる」には自分で自分を恥じて責めるという意味がありますが、
それに対し「罪悪感」には、不道徳な行いをしたことによっておきる恥じた気持ちという意味があります。
「自責の念に駆られる」は、自分自身に対して厳しい反省や自分を恥じて責める気持ちを表す言葉です。
「罪悪感」は、自分が他者に対して行ってしまった行動や言葉・負担・傷つけたりしたこと・道徳的なことに対して感じる心の苦しみや後悔の念を表します。
「自責の念に駆られる」は英語で『guilt feeling』
自責の念に駆られるは英語の『guilt feeling』に言い換えることができます。
英語の『guilt feeling』には
- 罪償感
- 罪責感
という意味があります。
「自責の念に駆られる」の対義語・反対語は『自己肯定感』
自責の念に駆られるの対義語は、『自己肯定感』になります。
自己肯定感には
- 自分を自分であると肯定し、認める感覚のこと
- 自分自身をポジティブに受け入れ認める感覚のこと
- 自分の価値や存在を受け入れ、認める感情
などの意味があり、自尊心や自己存在を認め肯定するときに用いられます。
過去の成功体験は、自己肯定感を向上させる一因とされています。
「自責の念に駆られる」とは、自分を非難し罪悪感を感じ恥じ入る状態を表します。
自責の念に囚われるとネガティブな感情がたまり、心に悪影響を及ぼしうつ病の原因となることがあります。
「自己肯定感」は自己評価や自己受容が高い状態を表すポジティブな感情をいいます。
自己肯定感が高い人は、失敗や評価によっても自分自身を認めて受け入れ前向きにとらえることができます。