「博愛」という言葉には、「すべての人を平等に愛すること」という意味があります。
どんな人に対しても分け隔てなく愛情を持って接するときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「博愛」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「博愛」の意味は『すべての人を平等に愛すること』
博愛の読み方は「はくあい」です。
語源はフランス革命の理念のひとつである「Fraternité」から来ており、
- 「博」は広く行きわたること
- 「愛」はあいすること
の2つが合わさってできた言葉です。
『博愛』のデフォルトの意味は
「すべての人を平等に愛すること」です。
「博愛」の正しい使い方を例文で紹介!
「博愛」は、すべての人を分け隔てなく愛する際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼は博愛主義者だから、みんなに優しい。
例文②
フランスの国旗の3色の意味は「自由・平等・博愛」です。
例文③
博愛の精神を大切にして生きよう。
例文④
博愛的な考え方を身につけるのは思ったより難しい。
例文⑤
この組織は博愛精神を理念として設立されている。
【博愛を使う時の注意点】
「博愛主義」という言葉は損得勘定なく誰にでも優しく接することができる人に向けて言うことがありますが、損得感情がある場合「八方美人」となります。
また、言い方を間違えると嫌味のように伝わってしまうこともあるため、相手に使う際には注意が必要です。
「博愛」の類義語・言い換え5選
『博愛』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 仁恵
- 仁愛
- 汎愛
- 慈愛
- 恩愛
類義語①仁恵の意味
〘名〙 思いやりの心をもって、なさけをかけること。あわれむこと。なさけ。めぐみ。慈悲。じんえ。
引用:コトバンク
仁恵の心を持って相手とコミュニケーションをとる。
類義語②仁愛の意味
〘名〙 思いやり深くめぐみをかけること。人をあわれみいつくしむこと。慈愛。
引用:コトバンク
仁愛が深い人は、他人とむやみに競争することがない。
類義語③汎愛の意味
〘名〙 だれかれの差別なしにひろく平等に愛すること。博愛。
引用:コトバンク
汎愛主義者は平和的な解決を望む。
類義語④慈愛の意味
〘名〙 親が自分の子どもに対するような深い愛。また、そういう気持でやさしくいたわること。
引用:コトバンク
母の愛情は慈愛に満ちている。
類義語⑤恩愛の意味
〘名〙 (連声で「おんない」とも) めぐみいつくしむ心。情愛。おんない。
引用:コトバンク
家族の恩愛を断ち切ることは、なかなかできることではない。
「博愛」と「慈愛」の違いは?
「博愛」と「慈愛」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「博愛」にはすべての人を平等に愛することという意味がありますが、
それに対し「慈愛」には、親が自分の子どもに対するような深い愛という意味があります。
人種・思想・血統などは関係なくすべての人を平等に愛するという意味の「博愛」と違って、「慈愛」には自分から見て下の者や弱い者に優しくいたわるという意味があります。
「博愛」は英語で『benevolence』
博愛は英語の『benevolence』に言い換えることができます。
benevolenceの意味
名
- 博愛、仁愛
・Christmastime is a season of benevolence and good cheer. : クリスマスは博愛とごちそうの季節です。 - 善行、慈善
- 〔中世イギリスの〕徳税◆議会の承諾なしに、国王が強制的に課した税金で、エドワード4世からジェームズ1世の時代に行われたもの。1473年に最初にbenevolenceという言葉が用いられた。
引用:英辞郎
英語の『benevolence』には
- 博愛、仁愛
- 善行、慈善
という意味があります。
「博愛」の対義語・反対語は『偏愛』
博愛の対義語は、『偏愛』になります。
偏愛には
- かたよって愛すること
という意味があり、不平等に愛情を持つ際に用いられます。
「博愛」はすべての人を平等に愛する際に用いますが、「偏愛」は一部の人を愛する際に用います。このように愛する対象の範囲に限定の有無があるため、対義語として使用することができます。