「直情径行」という言葉には、「感情の赴くに任せて思うとおりに行動すること」という意味があります。
感情的に動くことを表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「直情径行」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
直情径行の意味は『感情の赴くに任せて思うとおりに行動すること』
直情径行の読み方は「ちょくじょうけいこう」です。
語源は中国の「礼記」という書物の「直情径行なるものがあり戎狄の道なり」という言葉から来ており、
『直情径行』には
- 感情の赴くに任せて思うとおりに行動すること
などの意味があります。
「直情径行」の正しい使い方を例文で紹介!
「直情径行」は、感情の赴くままに自分の感情を言動に表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
上司は直情径行な性格なのでみんなうんざりしています。
例文②
生徒の直情径行の振る舞いにみんなが激怒していました。
例文③
彼は直情径行なところがあるので、失言には気を付けてほしいです。
例文④
父に、「直情径行な態度はやめてほしい」と注意しました。
例文⑤
直情径行な発言は、時に人を傷つける可能性があるので気を付けてほしい。
【直情径行を使う時の注意点】
「直情径行」は、例文のように肯定的な場面では使われません。
裏表がないとか誤解をして使っているケースもありますが、マイナスイメージの要素で使われることが多いので使う際は注意が必要です。
「直情径行」の類義語・言い換え5選
『直情径行』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 猪突猛進
- 無鉄砲
- 単細胞
- 軽率短慮
- 独断専行
類義語①猪突猛進の意味
猪突猛進して相手の策略に見事はまってしまった。
類義語②無鉄砲の意味
是非や結果を考えずにむやみに行動すること。また、そのさまや、そのような人。むこうみず。
引用:goo辞書
無鉄砲な計画なのでうまくいくかは分かりません。
類義語③単細胞の意味
- 単一の細胞。
- 考え方が一面的で単純な人。物事をあまり深く考えないたちの人。
引用:goo辞書
昔から単細胞なので難しいことは分かりませんが一生懸命頑張ります。
類義語④軽率短慮の意味
夫の欠点は軽率短慮なところで、妻としてカバーしていこうと思います。
類義語⑤独断専行の意味
自分だけの判断に基づいて、勝手に行動すること。
引用:goo辞書
独断専行のやり方は反発があるので、たくさんの意見を聞きたいと思います。
「直情径行」と「猪突猛進」の違いは?
「直情径行」と「猪突猛進」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「直情径行」には感情の赴くに任せて思うとおりに行動することという意味がありますが、
それに対し「猪突猛進」には、目標に対して、向こう見ずに突き進むことという意味があります。
違いは「途中で考えや行動が変化することがあるか、ないか」です。
「直情径行」はその時の思う通りに行動することを指し、途中で考えや行動が変化する可能性があります。
一方「猪突猛進」は向こう見ずに突き進むことを指し、考えや行動は変化しない状態の際に使われる言葉です。
「直情径行」は英語で『impulsive』
直情径行は英語の『impulsive』に言い換えることができます。
英語の『impulsive』には
- 一時の感情に駆られた・衝動的な
- 直情的な・推進的な・瞬間力の
という意味があります。
「直情径行」の対義語・反対語は『熟慮断行』
直情径行の対義語は、『熟慮断行』になります。
熟慮断行には
- 十分に考えた上で、思い切って実行すること
などの意味があり、十分に考えをめぐらし思い切って行うことを表すときに用いられます。
これからの進路に関しては、しっかり熟慮断行するべきだと思います。
「直情径行」は感情の赴くに任せて思うとおりに行動することを意味し、「熟慮断行」は十分に考えた上で、思い切って実行することという意味です。
- 「直情径行」=考えずに行動する
- 「熟慮断行」=考えて行動する
と覚えると違いが分かりやすいでしょう。