「灯台もと暗し」という言葉には、「身近な事情にうといこと・身近な事は案外わかりにくいものである」という意味があります。
日常生活やビジネスシーンでもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「灯台もと暗し」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
灯台もと暗しの意味は『身近な事情にうといこと・身近な事は案外わかりにくいものである』
灯台もと暗しの読み方は「とうだいもとくらし」です。
語源は、江戸時代まで使われていた燭台の炎は、周囲をぼんやり照らすが真下は暗くて見えにくいことから来ており、
『灯台もと暗し』には
- 身近な事情にうといこと
- 身近な事は案外わかりにくいものである
などの意味があります。
「灯台もと暗し」の正しい使い方を例文で紹介!
「灯台もと暗し」は、身近な事情にうといこと、身近な事は案外わかりにくいものを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
家の近所に、こんなに新鮮で安い鮮魚店があったなんて灯台もと暗しだわ。
例文②
灯台もと暗しというように、都会に就職して何年も過ごしてきたけど地元が一番いいところだと気が付いた。
例文③
眼鏡を必死に探していたけど、しっかり手に握っていたのは灯台もと暗しだったようです。
例文④
1年も前の案が、結局最適・最良の案だったとは灯台もと暗しでした。
例文⑤
ずっとインターネットで探していた工具が近くのホームセンターで売っていたなんて灯台もと暗しだったよ。
【灯台もと暗しを使う時の注意点】
「灯台もと暗し」は、自分の身近にあるものごとは、近くにあり過ぎて分かりにくい・気づきにくいという意味で、一生命探しているもの、大切にしているものは近くにあり、最も見えにくい場所にあるものということを例えたことわざです。
また、漢字表記は語源の「灯台の下は暗い」という意味から、「灯台下暗し」と表記します。
「灯台元暗し」ではないので注意しましょう。
「灯台もと暗し」の類義語・言い換え3選
『灯台もと暗し』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 傍目八目
- 秘事は睫
- 目は目で見えぬ
類義語①傍目八目の意味
読み方:おかめはちもく
別表記:岡目八目
(局外から他人の囲碁を見ると、打っている人よりも形勢がよくわかる意から) 局外から観察する者のほうが、当事者よりかえって物事の真相や利害得失がはっきりわかることのたとえ。
引用:コトバンク
小さな子ども達の試合を傍目八目で見ているのはおもしろいけど、子ども達は真剣で大変だろうな。
類義語②秘事は睫の意味
ずっと探していた指輪が秘事は睫で、いつものバッグの奥底から見つかりました。
類義語③目は目で見えぬの意味
他人のありさまはよくわかっても、自分のことはよくわかっていないものだというたとえ。
引用:コトバンク
息子に癖を注意したが、自分も同じ癖があると妻に言われ、目は目で見えぬとはこのことかと思いました。
「灯台もと暗し」と「傍目八目」の違いは?
「灯台もと暗し」と「傍目八目」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「灯台もと暗し」には、身近な事情にうといこと・身近な事は案外わかりにくいものであるという意味がありますが、
それに対し「傍目八目」には、局外から観察する者のほうが、当事者よりかえって物事の真相や利害得失がはっきりわかるという意味があります。
「灯台もと暗し」は身近なことはかえって分かりにくいことを意味し、「傍目八目」は正しいか正しくないかを判断するとき、当事者よりも第三者の方が判断できることを意味しています。
「灯台もと暗し」は英語で『It's hard to see what is under your nose』
灯台もと暗しは英語の『It's hard to see what is under your nose』に言い換えることができます。
英語の『It's hard to see what is under your nose』には
- 灯台もと暗し
という意味があります。
「灯台もと暗し」の対義語・反対語はありません
灯台もと暗しの対義語は、ありません。