「格納」という言葉には、「物を一定の場所に納め入れること」という意味があります。
航空機やデータなどをしまう際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「格納」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
格納の意味は『物を一定の場所に納め入れること』
格納の読み方は「かくのう」です。
語源
「格」は、いたる・きまり・おきて・地位・法則などを意味します。
「納」は、糸を使用した貢物を納屋におさめ入れるという意味から来ていて、
- 「格」は止める。固定する。
- 「納」はしまいこむ。
の2つが合わさってできた言葉です。
『格納』には
- 特定の場所に物をしまいこむこと
- 道具を倉庫に入れてしまうこと
などの意味があります。
格納の正しい使い方を例文で紹介!
「格納」は、一定の場所へ物をしっかりとしまう時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
日々集まる大量のデータをパソコン内のデータベースへ格納した。
例文②
自社の製品を保管するため、倉庫棚へ格納します。
例文③
新しく購入したミニバンは、3列目シートが床下に格納できるタイプだから便利だ。
例文④
格納庫の中でメンテナンスする必要があるため、飛行機をこれから格納する。
【格納を使う時の注意点】
名詞で使う他の言葉には、「ミサイル格納庫」「原子炉格納容器」などがあります。
格納の類義語・言い換え4選
『格納』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 納める/収める
- 保管
- 書き込み
- 蔵置
類義語①納める/収めるの意味
- 一定の範囲の中にきちんと入れる。収納する。きまった所にしまう。
- 金や物などを受け取って自分のものとする。手に入れる。受納する。獲得する。
- (納める)渡すべき金や物を受け取る側に渡す。納入する。
- 乱れているものを、落ち着いて穏やかな状態にする。争いや動揺をしずめる。治める。
- (納める)物事をそれで終わりにする。
- 死骸を葬る。
引用:goo辞書
今日の出来事は誰にも言わず、自分だけの胸に納める。
類義語②保管の意味
[名](スル)物品を預かって、傷つけたり失ったりしないように保存・管理すること。「忘れ物を受付で―する」
引用:goo辞書
貴重品を持ってきたので、フロントで保管してもらう。
類義語③書き込むの意味
1 文章の行間や余白に字などを書き加える。書き入れる。
2 定められた場所に文字や文を書いて入れる。記入する。
3 すみずみまで目を届かせて書く。
4 コンピューターで、メモリー上にあるデータなどを補助記憶装置に移し入れる。
引用:weblio辞書
出来上がったデータを提出するために、SSDへ書き込む。
類義語④蔵置の意味
倉庫などにしまっておくこと。
引用:goo辞書
保税倉庫には、一時的に保管するための貨物が蔵置されている。
格納と収納の違いは?
「格納」と「収納」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「格納」には特定の場所に物をしまいこむという意味がありますが、
それに対し「収納」にはたんすや棚などの入れ物にしまう、現金や品物を受け取りおさめる、農作物を取り入れるという意味があります。
「格納」といった場合、『覆われた空間、それも決められた場所でしっかりと保管する』ことであり、航空機や格納容器などの機械に対して主に使われる言葉です。
「収納」の場合、『何らかの物を中が見えないようにしまっておく』時に使われます。
何を収納するかについて明確に決まっているわけではありませんが、「衣類をたんすの中に収納する」といったように日用品に対して使われることが多いです。
格納は英語で『storage』
格納は英語の『storage』に言い換えることができます。
英語の『storage/ストレージ』には
- 貯蔵、保管、倉庫の収容力、保管料
- コンピュータ記憶装置
という意味があります。
格納の対義語・反対語はありません
格納の対義語・反対語はありません。
『運び出す』『搬出』『出庫』などで言い換えるしかないようです。