「割愛」という言葉には、「惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「割愛」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「割愛」の意味は『惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること』
【割愛の意味】
1 惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること。
2 公務員が、他の自治体や民間企業などへ籍を移すこと。また、大学の職員が、他大学へ籍を移すこと。
3 愛着の気持ちを断ち切ること。恩愛や煩悩 (ぼんのう) を捨て去ること。
引用:goo辞書
割愛の読み方は「かつあい」です。
語源は、仏教用語です。
親しい人や、故郷などに対する愛を断って出家することから、元は「愛着を断ち切ること」という意味で使われていました。
「割」と「愛」のそれぞれの意味は
- 「割」は、別々に分ける
- 「愛」は、大事なものを手放したくないと思う
この2つが合わさってできた言葉です。
『割愛』には
- 惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること
- 公務員が、他の自治体や民間企業などへ籍を移すこと
- 大学の職員が、他大学へ籍を移すこと
- 愛着の気持ちを断ち切ること
- 恩愛や煩悩 (ぼんのう) を捨て去ること
などの意味があります。
「割愛」の正しい使い方を例文で紹介!
「割愛」は、惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
時間の都合上、割愛させていただきます。
例文②
読み上げでの説明は割愛し、資料をご覧いただく形にさせていただきます。
例文③
こちらの内容を割愛して販売しようと思っています。
例文④
スペースの都合上、いくつか割愛せざるを得なかった。
例文⑤
日程の都合で、研修内容を3割ほど割愛しました。
【割愛を使う時の注意点】
「割愛」には、公務員が他の自治体などに移籍することや、大学の職員が他大学へ移ったりすることという意味もありますが、一般的には、「惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること」という意味で使われます。
「割愛」の類義語・言い換え3選
『割愛』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 省略
- 簡略
- 端折る
類義語①省略の意味
簡単にするために一部を取り除くこと。せいりゃく。
引用:goo辞書
作業を省略しました。
類義語②簡略の意味
手短で簡単なこと。手軽で簡単なこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
使い方を簡略化した手順書があります。
類義語③端折るの意味
ある部分を省いて短く縮める。省略する。
引用:goo辞書
この機械の使い方は、ところどころ端折っても3時間はかかるぞ。
「割愛」と「省略」の違いは?
「割愛」と「省略」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「割愛」には惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすることという意味がありますが、
それに対し「省略」には、簡単にするために一部を取り除くことという意味があります。
「割愛」は、愛着があるものや、手放すのが惜しいと思う物事を思いきって切り捨てるというニュアンスで使われますが、「省略」は、簡単にするために不要な部分を取り除くという意味で使われます。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「割愛」は英語で『omit』
割愛は英語の『omit』に言い換えることができます。
英語の『omit』には
- (…を)(うっかりあるいは故意に)省く
- 省略する
- 抜かす
などという意味があります。
「割愛」の対義語・反対語は『追加』
割愛の対義語は、『追加』になります。
追加には
- すでにあるものにあとからつけ足すこと
などの意味があり後から何かをつけ足すことを表す際に用いられます。
追加の資料を添付いたしました。
惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすることを意味する「割愛」に対して、すでにあるものにあとからつけ足すことという意味の「追加」は、反対の意味の言葉として使うことができます。