「顕在化」という言葉には、「はっきり形にあらわれて存在する状態」という意味があります。
これまで潜んでいた問題が形にあらわれたときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「顕在化」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
顕在化の意味は『はっきり形に表れて存在する状態』
顕在化の読み方は「けんざいか」です。
語源は、あきらかになるという意味の「顕」とあるという意味の「材」と、その状態に変化したことを意味する「化」が組み合わさってできた言葉です。
『顕在化』には
- 潜在的に存在しているものが明らかになる
- 隠れていたものが明らかになること、はっきりすること
- 名詞「顕在」に、接尾辞「化」がついたもの
などの意味があります。
「顕在化」の正しい使い方を例文で紹介!
「顕在化」は、今まで曖昧だった物事がはっきり形にあらわれ存在するときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
この学校の問題点が顕在化する。
例文②
このクレームはある営業マンの悪い手法が顕在化した証拠だ。
例文③
今回の授業ではあの子の才能が顕在化した。
【顕在化を使う時の注意点】
顕在化という言葉は良い意味でも悪い意味でもどちらでも使用可能です。
「顕在化」の類義語・言い換え3選
『顕在化』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 露見する
- 表面化
- 明るみにでる
類義語①露見するの意味
秘密や悪事など隠していたことが表に現れること。ばれること。「旧悪が―する」
引用:goo辞書
入念に計画していた犯行が露見する。
類義語②表面化の意味
[名](スル)隠れていた物事が、おもてに現れること。「内部の主導権争いが—する」
引用:weblio辞書
国同士の対立がこれを機に表面化した。
類義語③明るみにでるの意味
知られていなかったことや隠されていた事実が、世間に広まる。公になる。「過去の悪事が―◦出る」
引用:goo辞書
不正の事実が今回の告発で明るみにでた。
「顕在化」と「表面化」の違いは?
「顕在化」と「表面化」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「顕在化」には今まで曖昧だった物事がはっきり形にあらわれ存在するという意味がありますが、
それに対し「表面化」には、隠れていた物事が表面的にあらわれ人々が認識できる状態という意味があります。
顕在化と表面化はほとんど同じような意味ですが、顕在化と表面化には、それまでの物事に対しての認識の差がある意味合いに違いがあります。
「顕在化」は英語で『actualize』
顕在化は英語の『actualize』に言い換えることができます。
英語の『actualize』には
- 現実化する・実現する
- 具体化する
という意味があります。
「顕在化」の対義語・反対語は『潜在』
顕在化の対義語は、『潜在』になります。
潜在には
- 表面には表れず内にひそんで存在すること
という意味があり、内に潜んでいる能力などに対して用いられます。
この行動が後に彼の潜在した能力を呼び起こすことになる。
ある物事がはっきり形にあらわれて存在する場合は顕在化、内にひそんで存在する場合は潜在化という言葉を使いましょう。