「乙なもの」という言葉には、「おもしろい味わいのあるもの」という意味があります。
古風な言い回しの言葉なので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「乙なもの」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
乙なものの意味は『おもしろい味わいのあるもの』
乙なものの読み方は「おつなもの」です。
語源は諸説ありますが、邦楽の音色で一番低い音を「乙」と呼ぶことに由来しています。
「乙」は低い音色ですが、味わいのある素晴らしい音だということから「乙なもの」と言われるようになりました。
『乙なもの』には
- 普通と違って、なかなかおもしろい味わいのあるもの
などの意味があります。
「乙なもの」の正しい使い方を例文で紹介!
「乙なもの」は、おもしろい味わいのあるものを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
雨の日の散歩も、なかなか乙なものだ。
例文②
冬の早朝に海に行くなんて乙なものだ。
例文③
チョコをつまみに飲むとは、乙なものだ。
例文④
コーヒーに黒蜜を入れるなんて、乙なものですねぇ。
例文⑤
乙なものが多い喫茶店でお茶をしました。
【乙なものを使う時の注意点】
「乙なもの」を使う際には、少し変わった独特な面白みのあることを表します。
言葉自体に悪い意味合いはありませんが、一般的なことを表す際にはあまり使いませんので、使用する際には気をつけましょう。
「乙なもの」の類義語・言い換え5選
『乙なもの』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 妙
- 妙味
- 風趣
- 粋
- 醍醐味
類義語①妙の意味
いうにいわれぬほどすぐれていること。きわめてよいこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
いつも彼の言葉は、言い得て妙だ。
類義語②妙味の意味
なんとも言えない味わい。非常にすぐれた趣。醍醐味 (だいごみ) 。
引用:goo辞書
この作品には、妙味がある。
類義語③風趣の意味
おもむき。風情のある味わい。
引用:goo辞書
風趣溢れる絵葉書を、どうもありがとう。
類義語④粋の意味
気質・態度・身なりなどがさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気があること。また、そのさま。
引用:goo辞書
誕生日にサプライズなんて、粋なことをしてくれるなぁ。
類義語⑤醍醐味の意味
物事の本当のおもしろさ。深い味わい。
引用:goo辞書
大迫力の映像とズシンとくる音響。これが映画館で映画を見ることの醍醐味だ。
「乙なもの」は英語で『stylish』
乙なものは英語の『stylish』に言い換えることができます。
英語の『stylish』には
- 当世風の
- いきな
などという意味があります。
「乙なもの」の対義語・反対語は『野暮』
乙なものの対義語は、『野暮』になります。
野暮には
- 言動や趣味などが、洗練されていないこと
- 無風流なこと・また、その人やさま
などの意味があり、洗練されていないことを表す際に用いられます。
新入社員の彼は、野暮ったい髪型だ。
おもしろい味わいのあるものを表す「乙なもの」に対して、言動などが洗練されていないことを表す「野暮」は、反対の意味の言葉として使うことができます。